『月明かりの下の鎖骨』 作:岡野陽平 [読み物・作品]

20分強のハイテンポでやること。エネルギーが落ちないこと。

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《台本作成の条件》
以下のキーワードと台詞を全て必ず使って、物語を作る。
場所の条件もあり。

【必須のキーワード】(10個)
あの人  爪先  ビー玉
カーブ  黒電話  光  嘘
誕生  鎖骨  バナナ

【必須の台詞】(5つ)
「普通ってなに?」
「みんな繋がってる」
「だからあのとき○○を選ぶべきだったんだ」
「それは君次第だよ」
「十円玉もってますか?」

【場所】
囚われた場所

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『月明かりの下の鎖骨』 2012.10.28 作:岡野陽平

【登場人物】 (役者6人)
  ※衣装は全員が基本的に「白いワイシャツ」「ジーパン」「革靴」

①ナレーターの学生
②恋する学生
③ツッコミを入れる学生
④高山君=実家がバナナ農家な学生
⑤先輩
⑥学生

⑦学長 =⑤
⑧マリア様 =⑥
⑨月のウサギ =③

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↑上演時のメンバー★ 左から ⑥ ① ③ ⑤ ④ ②。
 2012年10月27、28日。中ホールにて。

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【本編】
  ※ターンは時間経過を表す。合図の音を入れ、皆「一回転する」など。

■少女二人が走って中央にやってくると、
■客席に向かって元気よく喋りだす。
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②「こんにちは」
③「こんにちは」
②「私達は今年3月、大学受験で桜咲く」
③「原始キリスト教国際大学の一年生になったの」
②「原始キリスト教」
③「国際大学」
②「そして私は今、恋をしている。桜咲き乱れる春にふさわしく、恋をしているの」
③「誰に?」
②「同級生の高山君に。私の心の中で、恋の桜は咲き乱れ、できれば体も乱れに乱れたい」
③「『汝、姦淫するなかれ』!」
②「その言葉の意味をよく理解するために、
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まずは十分に姦淫してみようと思うのです」
③「みだらです!」
②「彼は、私のこのピュアで純粋で桜ピンクな気持ちを、受け止めてくれるかしら!!」
■同級生がスッと現れ、
②「あ、高山君!おはよう!」
④「ごめんなさい、絶対無理です」深々と頭を下げてから、すたすたと去る。
②「・・・」
③「うわ~、まだ何も言ってないのに」
②「・・・私の恋、始まる前に終わっちゃった★」
③「早!!」

■オープニング曲が流れ出す。
と同時に舞台に入ってくる学生全員。シャベルを掲げて行進する(交差したり?ランダム?)。
それぞれに散らばって、しゃがみ込む。
(ヘルメットを被った④、①が行進して入場。シャベルを②、③に渡す。
 ④がシャベルを③に手渡し、②はショック!
 そこへ、大きなスコップを持った学長、マリア様が現れてバトルに!
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 学生達は破れて、しゃがみ込む。学長&マリア様の役者も学生に変わって)

■歌が始まる。リズミカルにシャベルで掘り続ける生徒達。(交互に)
④「ザックザック」 他「ザックザック」
④「ザックザック」 他「ザックザック」
④「ザックザック」 他「ザックザック」
④「ザックザック」 他「ザックザック」
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④「ザックザック」 他「ザックザック」
④「ザックザック」 他「ザックザック」
④「いっつまっで、つっづくっの」(いつまで続くの?)
他「ザックザック、ザックザック」

ストップ。
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①「炎天下のエルサレム。私達はただの大学生です。ただの大学生のはずです。
でも、もう一ヶ月以上、ここでこうやって掘り続けています。ここでこうやって探し続けています。
私達は別に考古学部じゃないんです」
①⑤⑥「私達(俺達)は文学部・聖書先攻です」
③④「私達は国際交流学部です」
②「私は柔道部です」
全員「私達は別に考古学部じゃないんです!」
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①「あぁ、何でこんなことになったんでしょう。
私達がなぜこんな遠い異国の地で、こんな途方もない作業に従事させられているのか。
その始まりは」

ターン。

■学長が皆の前に立っている。(⑤が『口ひげ』を付けると学長になる)
学長「原始キリスト教国際大学の学生諸君、おはようございます」
他「おはようございます学長」
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学長「いよいよ我が大学最大のイベントである留学遠足、『聖地巡礼』が始まります。
皆「わぁぁ~~~」歓声&拍手
大学総出で、聖地エルサレムをヨルダン河からゴルゴダの丘までひと月かけて、イエス・キリストの奇跡の軌跡を辿るのです!」
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皆「わぁぁぁ~~」歓声
学長「もちろん宿や食事などの心配は要りません、が!!・・・おやつは5百円まで持って行ってよろしい!」
皆「わぁぁぁ~~」歓声
④「学長!(挙手)バナナはおやつですか?」嬉しそうに
学長「おやつです」
皆「・・・嘘だ~~~!!(涙)」

ターン。

■シャベルを持って。
①「ところが着いてみれば、ただひたすらに『掘る』だけの毎日。『聖地巡礼』とは名ばかりです」
④「毎日、朝から晩まで掘ってるよ」
②「ただし三食昼寝付き」
④「三食昼寝以外の時間は全て掘っているじゃないか」
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③「トイレにも行くし」
④「あたりまえだ!」
②「移動もしてるよ」
⑤「掘っては移動。掘っては移動」
⑥「ヨルダン川からガリラヤまで、全部掘りました」
④「そして今はゴルゴダの丘」
③「一番最初にはヨルダン川で洗礼ごっこもしたし」
①「ちゃんと聖地巡礼していると、言えるかもしれないね!」
②「掘って掘って、聖地は穴ぼこだらけです」
皆「えぇぇぇ~~~~~!」 (言ったヤツを見たり、自分の掘ってる穴を見たり)

ストップ。

①「一体何を掘っているのか。それはあの人に聞いて。
掘り出して、一体どうするのか。それもあの人に聞いて。
あの人。大学の聖母マリア様」
男達④⑤「俺たちの、永遠の清純派乙女アイドル!」
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ターン。

■マリア様が皆の前に立っている。(⑥が『白い髪飾り』を付けるとマリア様になる)
マリア様「あの子の『鎖骨』を探すのです」
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④「何ですって?」
マリア様「あの子の『鎖骨』を探すのです」
②「恥骨?」
③「鎖骨!」
②「ここ?」(二の腕を指して)(肘でも良いかも)
③「ここだよ!」(胸の鎖骨をたたく)
④「探してどうするのですか?」
マリア様「月の光に晒(さら)すのです」
皆「え???」
マリア様「そうすれば、あの子はまた生まれ変わるのです」
学長「皆さ~ん!」(ターンで登場)
皆(マリア様も)「あ、学長!」
学長「今年はね、チャンスなのです!」
皆「チャンス?」
学長「満月がエネルギーを貯めるには長い年月がかかります。_MG_8023.jpg
満月が1000回夜空に浮かび、乙女座が700回夜空を駆け巡った年数に、十二使徒の12を足して、私の好きな数字の5を掛けた数の年、つまり今年! 今年こそが数百年に一度だけの、キリスト復活のチャンスなのです!」
皆「マジで~~!?」
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ストップ。

①「キリストの鎖骨を掘り出し、月明かりに晒して、蘇らす。
非現実的で、ふざけたような計画なのに、なぜか『すごい!』と思ったのです。
だって、キリスト様の復活ですよ? 神様に会えるんですよ?

ターン。

■黙々と掘り始める学生達。
②「そんな期待に脳みそがワクワクしたのはもうずっと前」
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④「聖地巡礼は一ヶ月のはずが、もうじき三ヶ月になるじゃん!」
③「やる気なんか、とうにお失せになられました」
①「海外滞在の限界って、三ヶ月までじゃなかった?」
④「じゃぁもうじき!?」(期待)
③「でも、見つからなきゃ帰してもらえないんじゃない?」
④「そんなこと・・・ないだろ」(不安)
■黙々と掘る。
①「見たことも無い物を探すのって、失くした物を探すより難しいね」
■それを聞いて、一人の学生が。
④「マリア様!」
マリア様「は~~い」 と立ち上がる。(ターンで)
④「マリア様。鎖骨はどんな形をしているのですか!?」
マリア様「美しいカーブを描いているのです」 空に弧を描く
皆「カーブ?」 皆もそろって空に弧を描く
マリア様「美しい鎖骨のカーブにこそフェティシズムがあるのです! さぁ脱いで」
④「え、俺!?」
各「脱げ~」「脱げ脱げ」「キャー」「よし、見ててやる!」「早くしろ~」「ほいほ~い」
④「え、いや、ちょ」
②「早く脱げオラ!!」 よだれ、じゅるり。手で拭う。
④「は、はい!」
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ストップ。

①「こうやって日は暮れて行くのです。過酷です」

ターン。

学長「みなさ~ん、今日の夕飯は、最後の晩餐風★ パンと、ワインと、バナナです」
皆「なぜバナナ?」
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学長「バナナ農家のご両親が、海外でがんばっている息子さんとそのご学友の皆さんにと、
た~くさんの、た~~くさんの、10万本のバナナを送ってくれたのですよ。ありがとう、高山君」
各「おぉぉ~~」「ありがとう高山君!」「ありがとう!」
④「どうも」
学長「さぁ、お祈りしましょう」
■皆、前で両手を組んで、目をつぶる。
学長「パンは主イエスの肉です」
学長「ワインは主イエスの血です」
学長「バナナは主イエスの・・・きゃ♪」
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皆「なんだ!?」
②「言ってみろ!」
③「言え!」
⑥「セクハラです!」
①「やだ~、バナナ食べられな~い」
④「何だお前ら!俺のバナナが喰えないってのか!」
②「破廉恥です!」(なぜか超嬉しそう)
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③「ていうか、『俺の』言ったし、『俺の』」
①「イエス・キリストの、じゃないんですか?」
学長「イエスのバナナ!? バッキャローー!!」    
■パーンチ! バキ!(近くにいた④を殴る)
皆「高山君!」④「俺!?」
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学長「歯を食いしばれー!」
④「もう殴ったし!」
学長「あ、それと、皆さんおめでとうございます。海外滞在の延長申請が認められ、一年に延びました」
皆「やっぱり~~~!!」 落胆

ストップ。
①「やっぱり帰してもらえないのです。_MG_8294.jpg
え? 逃げればいいのに、ですって?
それは無理なんです。お財布も携帯電話もパスポートも、ぜ~んぶ貴重品として学長に預けちゃいましたし、
何より、マリア様が」

■「ライフル」を持ったマリア様が現れる。
マリア様「鎖骨を、見つけて。ね★」
①「ね?」
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ターン。

マリア様「さぁ、すぐに片付けて。そして、掘って、掘って、掘りまくるのです!」
■皆がまた掘り始める。マリア様は監視している。
■監視しているマリア様が、脇に置いてある黒電話をかけ始める。
マリア様「もしも~~し。こちら、わたくし♪ 今晩もご苦労様★」
④「本日のおしゃべりタイムだ」
⑤「月明かりの下で、彼女は雄弁に語るのさ」
④「マリア様は毎晩、誰と話しているの?」
⑤「月のウサギとだよ(にやり)」
①「月のウサギ??」
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マリア様「ねぇ、思うんだけど、わたくし、そろそろスマホにしようかしら」
②「さっさとしろ」
③「今すぐしろ」
マリア様「でもこの黒電話、結構便利なのよ?携帯できるし」(移動~)
皆「携帯黒電話~~!?」
②「意味分からん」
③「偽マリアめ!」
⑤「お前ら、彼女は本物だぞ」
②「なんですって先輩、いえ、マリア・ファンクラブ会長」
⑤「彼女は本物の、復活したマリア様」
皆「は?」
⑤「学長が2年前に蘇らせた」
皆「えええ!!?」
④「ど、どうやって?」
⑤「学長の占いが、マリア様を掘り当てた」
②「学長の、あの、ビー玉占い!?」

■学長が(ターンで)立ち上がって、笑顔でビー玉を見せる。ニカッ!
学長「一回十円! 十円玉、持ってますかー?」
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②「安!」
■すぐ座る。

④「そんなの当たるかよ!」
⑤「みんなそう思ってた。でも、本当にヒト一人蘇らせた」
皆「・・」
⑤「信じるしかないだろ?」
③「じゃぁ本当に本物? あんな品のないのが?」
マリア様「わたくし、健気にがんばって、現在のことをお勉強してるのよ。音楽はマドンナが好き。特に『ライク・ア・ヴァージン』が」
②「偽物じゃないの?」
⑤「あれは不完全なの」
皆「不完全?」
⑤「彼女は『爪』から蘇ったんだ。爪先から」
④「キリストは鎖骨。マリア様は爪さき…」
②「全部学長の占い…」
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マリア様「今日はもう終わりで良いわ。ご苦労様、ウサギちゃん」
■受話器を置く。がちゃ (皆がマリア様を見つめる)

ストップ。

①「学長のビー玉占い。
復活した本物のマリア様。
月のウサギ。
私は、キリスト様も本当に復活する気がして、ドキドキしました。
そして、私達の聖地巡礼は半年を超え、今は主イエスの生まれ故郷『ベトレへム』に」

ターン。

マリア様「やっぱり最初からベトレヘムに来るべきだったのです!きっとここにありますわ。さぁ、今すぐ探して」
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④「マリア様、今はもう夜です! 明日にしましょうよ」へとへと
マリア様「いいえ。月のウサギに電話しましょう。もっと明るく照らすように」

■黒電話をかける。
マリア様「もしもし?」
■月のウサギ登場!(ターンして、うさ耳と黒電話)
ウサギ「もしも~し、月のウサギですけど」
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マリア様「ウサギさん。今夜をもっと明るくしていただける?」
ウサギ「なかなか難しい注文ですね」
マリア様「人参追加で」
ウサギ「よし。交渉成立!」

ウサギ「では、ビー玉を使いましょう」
マリア様「ビー玉?」
①「学長!ビー玉!」
学長「はい」じゃらり(ターンで登場)
②「めっちゃある!」
■皆が一個ずつ持つ。
ウサギ「ビー玉で月明かりを増幅させます」
マリア様「どうしたらいいの?」
ウサギ「ビー玉を夜空に掲げて」
■皆がビー玉を高く上げる。
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ウサギ「では。月ウサギの皆さん、お仕事ですよ~~~!」(照明さんに向かって言う)
■明かりが付く。(ピンスポお願いします!)ピカー!
全員「おおぉおぉ~~」歓声
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ウサギ「ありがとありがと、そんな感じ」
ウサギ「あ!もうちょい右。右。あ、ごめん、分からないよね。北極寄りで」
■グイッと明かりが動く。
ウサギ「そうそう、ありがと」
学長「あそこ!掘って!早く!」
④「よっしゃ!」
■今が『掘り時』とばかりに。学長はビー玉を掲げ続ける。
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マリア様「ありがと」
ウサギ「いいえ~」去る。

■そして発見。
①「あ!」
②「ああ!」
「あ!」「え!?」
各「あ~~!!」
「あったの!?あったの!?」「見つかった!?」
④「それ!?」
学長「これです!!間違いありません!ですよねマリア様?」
■マリア様の鼻に近づける。
マリア様「くんくんくんくん」
■嗅ぐ。
マリア様「イエス!!」
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皆「おおおおぉぉぉぉおぉ!!」
各「見つかった~~!!」「いえ~~い!」「やった、やった!」
④「やっと!そして!ようやく!ついに!」
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ストップ。

①「ついに! ついに鎖骨が見つかったのです!
大喜びの学長! 大喜びのマリア様!
私も興奮しました!『これで帰れる!』と皆が喜びました!
でも・・・でも、なぜだろう。
なぜだか急に、「あれ?」って思ったんです。
なぜだか急に、大人しかったはずの私の反逆精神に、火がついたのです」

ターン。

■わいわい。
④「いや~~、やっと帰れるな」
②「それに、キリスト様の復活だよ!」
③「すごいよ」
⑥「素敵!」

■一人深刻な顔をしていた①が、
①「やめよう」
皆「え?」
①「キリスト様の復活。良くない気がします」
③「何言い出すのよ」
④「おいおい」
⑥「皆が待ち望んでるのよ。私たちだけじゃなく、世界何十億のキリスト教徒がさ」
■皆、帰れる喜びから、もうどうでも良くなっている。楽観。しかし、
①「じゃぁ、尚更です」
⑤「何が~?」
①「考えてみてください。爪から復活したマリア様は不完全でした。じゃぁ、鎖骨から復活するキリスト様は?」
「・・・」沈黙
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①「良くない気がする」
「・・・」
①「これは、これは神への冒涜です!」
「・・・」
各「そうか」「そうかも」「う~ん」「確かに」
①「それに、このまま学長の言いなりだなんて、なんだか癪です!」
皆「言えてる!」 (ここで納得!)
⑤「よし、やるか!」
■皆が見る。
②「『儀式』を阻止しよう!」
各「やるか」「やろう」「うん、やろう」「よーし」
⑤「学長の邪魔をしてやろう!」
皆「おぉぉぉー!」  意気高揚
④「でも、どうやって?」
皆「う~ん」
②「鎖骨とバナナをすり替えるのよ!」
皆「はぁ!?」
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⑥「なぜバナナ?」
③「バナナは腐るほどあるけど?」
④「腐らせませんよ!」
①「ていうか私達にはバナナしかない」
③「あとシャベル!」
②「シャベルじゃダメ」
皆「え?」 皆が見る。
②「シャベルとバナナ。バナナは鎖骨に」
④「似てる??」
②「そう!似てる!」(高山君が当ててくれて超嬉しい!)
皆「って、オーイ!!」
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ストップ。

①「こうして、私達は反逆ののろしを上げた」

ターン。

■皆が黒電話のところに集まっている。
「電話!電話!」
■②が受話器を持って、電話をかける。

■つー、つー、つー。
②「あれ? ”ふつう”だ」
③「”ふつう”ってなに?」
②「繋がらないってことだよ」
④「じゃ、そう言えよ!」
①「なんだ~」
⑥「だめじゃん」
■がっかりして散る。(②はかけ直す)
②「待ってみんな!!」
他「?」
②「繋がってる!」
他「えぇえ!」
②「しっ!」(口に指を立てて沈黙の合図)
■月のウサギと連絡がつく。
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②「もしもし? もしもし月のうさぎさん?」
■ウサギ登場!(ターンして、うさ耳と黒電話)
ウサギ「もしも~し?」
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■②はマリア様のふりをする。
②「わたくし、マリア様ですけど」
他「『様』付けんな!」 ひそひそ声で。
ウサギ「あぁマリア様~、どうしたの~こんな時間に?」
他「セーフ!」「良かった~」
②「ケーキ入刀に言うわ」
他「単刀直入!」
ウサギ「なになに?」
他「通じたし!」
②「私の特別なお願い、聞いてくださる?」
ウサギ「どんなどんな?」
②「ご~にょご~にょの、ごにょりんこ」
ウサギ「う~~ん、それは人参次第だよ」
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②「何本? 言ってちょうだい」
ウサギ「人参、1万本」
皆「一万本~~~!!」
④「うん、って言え!」
②「え! う、うん、いいわ」
ウサギ「おっけー。交渉成立。じゃぁ儀式の夜にね~」がちゃ
③「人参1万本なんて用意できないよ! 人参農家じゃあるまいし」
■皆が高山君を責める。「ちょっと!」「何考えてんだ!」「アホか!」
②「どうするのよ~~!!?」
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④「バナナ一万本をオレンジ色に塗って送ってやる!」
皆「マジで~~~!?」
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ストップ。

①「それでうまくいきました。これできっと儀式は混乱するでしょう。
あとは・・・『誰が』一番危険な役をやるのか。『誰が』鎖骨をバナナとすり替えるか。命を賭けて」

②「誰がやるの?」
⑥「先輩?」
⑤「俺? あ~、うん、そうね。でもさ、その役目は失敗できないわけだからさ、人選はもっと慎重であるべきだよね。
ていうか俺、結構学長からマークされてるって言うか、あんまり目立つ役は・・・」もにょもにょ
④「俺がやります」
皆「高山君!」
⑤「よく言った高山!」
皆「・・・」 ちょっと白い目
①「高山君・・・バナナ」渡す。

■儀式の音楽が始まり(ターン)、それとともに、祭壇が組まれていく。
マリア様と学長を中心としたダンス。(短め。20秒以内)
■祭壇に鎖骨の入った箱が置かれる。
学長「イエス・キリストの復活です」
マリア様「新たなる誕生です!」
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マリア様「二千年の時を超え、あの子の愛が、今度こそ世界を救うのです!!」
■儀式の途中で、急にガチャン!っと月明かりが消える。
■慌てる学長とマリア様。
マリア様「え、え? 何?」
学長「あれ~~」
②「よし!」
皆「ナイス・月のウサギ!」
学長「あ、あ、明かりが!! 一体、どういうことでしょう!?」
■学長は慌ててあちこち走り回る。マリア様は祭壇をチェックするetc。
マリア様「ちょっと!どうなってるの!」
学長「電話しましょう!電話!月のウサギに!」

学長「全くあいつは何やってんだ!」
■黒電話でウサギに連絡。あたふた。
マリア様「もしもし!?」
■受話器を持っているはずが、『黒く塗られたバナナ』。
学長「あ、それ!バナナ!」 黒バナナを指差す。
マリア様「え? あ! バナナ!?」
■その隙に、暗闇に乗じて。
(学生達は計画的に配置に付く。②→①→③→④、と順番に合図が送られ・・・)
■④がバナナを持って祭壇に近づく。箱をごそごそ。
マリア様「もしもし! ちょっとウサギさん!どういうこと!? わたくしはそんなこと頼んでません! いいから直ちに月明かりを!」
マリア様「人参10万本で!!」
■その瞬間、ピカ! 明かりが点く。
■そして全てが明るみに。
学長「お前、そこで何をしている」
④「いえ、何も!」(失敗か!)
学長「嘘をつくな!」
④「あの、すみません、バナナを食べていました!」(振り向きながら素早く皮を剥く!ぴ!ぴ!ぴ!)
他の生徒は「あちゃ~~」「うわ~~」って顔でハラハラドキドキ。「高山君!」
■痛い沈黙。ごまかせるの? どうなるの?
マリア様「そこで?」
④「はい!」
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■バキューン! マリア様に銃で撃ち殺されてしまう!
皆「高山君!!」
■そして、元に戻った月明かりの元で儀式が再開される。
■急にまたダンスの音楽が鳴りだし、慌てて踊りだす学長とマリア様。
■ダンスは途中から。
学長「イエス・キリストの復活です!」
マリア様「新たなる誕生です!」
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■儀式失敗!!(音楽失速) 箱からプスンと煙?
マリア様「何? 今度は何?」
学長「・・・そんな」
マリア様「まさか・・・」
学長「失敗です」がくりと膝をつく。

■①が祭壇をトントンっと上って箱に近づく。
■箱を開けて、皆に見せる。
①「見て!バナナよ!!」
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皆「いつの間に!!?」

ストップ。

①「高山君は、実はもう一本、バナナを持っていたのです。
そして、バナナすり替え後に、撃ち殺されてしまった。
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高山君は命に代えて、キリスト復活を阻止したんです。
・・・高山君!」

皆「高山く~~~ん!!」
■皆が高山君に泣く。

■ところが高山がむっくりと起き上がる。
⑤「あれ!」
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①「生きてた!」
⑥「なんで!?」
②「高山君復活!?」
④「あ、助かった。銃弾が、これに当たって、こいつが身代わりに」
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■胸ポケットに入ってた『ビー玉』を取り出すと、割れている。
①「ビー玉!?」
皆「そんなバナナ~~~!!」
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■おわり。ちゃんちゃん(´▽`)
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