元『女郎屋』あらすじ 作:岡野陽平 [読み物・作品]
古い作品(あらすじ)を見つけたので載せておきます。
日付が「2009.11.12」とありました(°д°)
ピッコロ(本科)の卒業公演のため。
初めに考えたストーリー。
真面目な、史実に沿った感じのお話です。
今読み返すと、拙い。
※これに、皆のアイデアを混ぜて、
転じて『女郎屋』あらすじ となりました。
全然違う!!Σ(°д°)φ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タイトルなし
【一場】ここは花街の小見世 ※見世=店。
太夫(※高級遊女)のいる大見世より劣るが、
廓の中にあるので岡場所よりよっぽどマシ。 ※岡場所=非公認の女郎屋。
この見世にも十年前に太夫が一人いて、とてもにぎわっていた。
その太夫が死んでから客足が遠のき、今や閑古鳥。
昨夜、一人の禿(かむろ)が水揚げして新造となった。
この妓が見世の看板になってくれたらなぁ。
※禿=若い女郎見習い。12~13歳。姉女郎について習う。
※水揚げ=一人前の女郎になるための、夜の儀式。
次の禿は廓生まれの廓育ち。
禿は姉女郎たちにあこがれて、
早く客を取りたいと言う無邪気。
この見世には他にも多くの女郎がいて、
座敷持ち、部屋持ち、新造と格が下がる。
太夫はいない。
座敷持ちが今の看板女郎。大見世の太夫に対抗心。
部屋持ちは座敷持ちに対抗心。
※新造=新米の女郎。 番頭新造は年配の、元女郎。
見世は女将(内儀)と牛太郎(妓夫太郎)がきりもりしている。
他にも番頭新造、女衒(ぜげん)などがいる。
※牛太郎=遊郭で働く男。遊女への取次などをする。
※女衒=人売り。各地から女郎となる女の子を集めてくる。
客としては、
見世一番のだんなは人格者で、ほとんどの水揚げはこの人物が相手をしてきた。
若い男は新造の色男。身揚げしてもらってる。
※身揚げ=女郎がお金を出して客を取ること。
他にも病持ちの女郎のために医者が出入りし、
坊主も遊びにくる(水子供養と言って)。
警察官(役人)も。
【二場】明治という時代を迎えて。
内戦は終った(明治2年)けれど、どうしたって落ち着かないご時世。
客の種類は変わってきた。
昔の田舎侍が庄屋のせがれに。
でも、いつの時代も女郎屋は女郎屋。
都が京から東京に移っても(明治4年)
市民の服装が変わっても、
四民平等も、女郎屋には関係ない。
小見世の経営はそこそこ。
大見世からスカウトが来る。禿の娘を売ってくれ。
太夫の資質。喜ぶ禿。
反応する他の女郎たち、客たち。
↓
結局、禿は大見世に移ることに。
いざお金のやり取りをしようとしたその時、
駆け込んできた報せ。
「娼妓解放令」
遊女は奴隷だ、と外国から非難される。
「娼妓は牛馬と同じものである。よって借金というものは無い」
女郎の前借金を全て無効とし、ただちに年季を終らせる、というもの。
※年季=前借金などとともに、労働者を一定年数しばるもの。基本的に住み込みで、給料などはない。
国の外交戦略の余波であり、
民主化、文明化への流れでもある。
こんな布令に従う必要ない!
しかし、役人が強引に押し通す。
大見世との話は当然なかったことに。
【三場】娼妓解放令という難題。
「これで晴れて自由の身だ!!」と、単純に喜べるモノではない。
●里に帰ると喜ぶ者はさっさと旅支度を始める。
●いや、里に帰ってもつまはじきにされるだけだと、残る者もいる。帰る場所はない。
●残ったって、もうここでは商売できないよ。食い扶持に困る。
●娼妓をやめて芸妓として立身しようとする者。
●廓育ちの禿には帰る里がない。→女紅場へ。
※女紅場=政府が作った、遊女の更正場。
●新造は若い男に、嫁にしてくれとせがむ。→逃げる男。
●病の女は死を望む。→堕ちていく医者。
●キリスト教のシスターが救いの手を差し伸べる。→ついていく女郎。
●座敷持ちと牛太郎の恋。ただの女になったのだから。
それぞれの道。それぞれの行き場所。
見えない未来。
さぁ、今夜はこの見世最後の宴といこうじゃないか!!
【四場】1年後。それぞれの道の先に。
非公認で細々と女郎屋を営む、残った者たち。
去った者たちの噂を聞く。
幸せな者もあれば、不幸な者、死んだ者もいる。
私達はいつだって、おエラいさん方の政治とやらに振り回されて。
これからどうなっていくんだろうねぇ。
そこへ新たな布令が。
「貸座敷渡世制度」など。
置屋が女郎を拘束するのではなく、女郎の自由意志によって商売をしても良い、とする。
※置屋=女郎屋。(今で言うところの所属事務所)
※渡世制度=営業規則。
つまり、遊郭・女郎を再び公認するもの。
娼妓解放令の無実化。
喜ぶ女将や女郎。
戻ってくる女郎たち。禿の水揚げを行う。
それぞれの今。それぞれの笑顔。
去った者の、女の幸せ。
女の扱いが変わるわけじゃないけれど、
それでも未来はある。
安心してご飯が食べられる。
そんな幸せ。
終わり。
日付が「2009.11.12」とありました(°д°)
ピッコロ(本科)の卒業公演のため。
初めに考えたストーリー。
真面目な、史実に沿った感じのお話です。
今読み返すと、拙い。
※これに、皆のアイデアを混ぜて、
転じて『女郎屋』あらすじ となりました。
全然違う!!Σ(°д°)φ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タイトルなし
【一場】ここは花街の小見世 ※見世=店。
太夫(※高級遊女)のいる大見世より劣るが、
廓の中にあるので岡場所よりよっぽどマシ。 ※岡場所=非公認の女郎屋。
この見世にも十年前に太夫が一人いて、とてもにぎわっていた。
その太夫が死んでから客足が遠のき、今や閑古鳥。
昨夜、一人の禿(かむろ)が水揚げして新造となった。
この妓が見世の看板になってくれたらなぁ。
※禿=若い女郎見習い。12~13歳。姉女郎について習う。
※水揚げ=一人前の女郎になるための、夜の儀式。
次の禿は廓生まれの廓育ち。
禿は姉女郎たちにあこがれて、
早く客を取りたいと言う無邪気。
この見世には他にも多くの女郎がいて、
座敷持ち、部屋持ち、新造と格が下がる。
太夫はいない。
座敷持ちが今の看板女郎。大見世の太夫に対抗心。
部屋持ちは座敷持ちに対抗心。
※新造=新米の女郎。 番頭新造は年配の、元女郎。
見世は女将(内儀)と牛太郎(妓夫太郎)がきりもりしている。
他にも番頭新造、女衒(ぜげん)などがいる。
※牛太郎=遊郭で働く男。遊女への取次などをする。
※女衒=人売り。各地から女郎となる女の子を集めてくる。
客としては、
見世一番のだんなは人格者で、ほとんどの水揚げはこの人物が相手をしてきた。
若い男は新造の色男。身揚げしてもらってる。
※身揚げ=女郎がお金を出して客を取ること。
他にも病持ちの女郎のために医者が出入りし、
坊主も遊びにくる(水子供養と言って)。
警察官(役人)も。
【二場】明治という時代を迎えて。
内戦は終った(明治2年)けれど、どうしたって落ち着かないご時世。
客の種類は変わってきた。
昔の田舎侍が庄屋のせがれに。
でも、いつの時代も女郎屋は女郎屋。
都が京から東京に移っても(明治4年)
市民の服装が変わっても、
四民平等も、女郎屋には関係ない。
小見世の経営はそこそこ。
大見世からスカウトが来る。禿の娘を売ってくれ。
太夫の資質。喜ぶ禿。
反応する他の女郎たち、客たち。
↓
結局、禿は大見世に移ることに。
いざお金のやり取りをしようとしたその時、
駆け込んできた報せ。
「娼妓解放令」
遊女は奴隷だ、と外国から非難される。
「娼妓は牛馬と同じものである。よって借金というものは無い」
女郎の前借金を全て無効とし、ただちに年季を終らせる、というもの。
※年季=前借金などとともに、労働者を一定年数しばるもの。基本的に住み込みで、給料などはない。
国の外交戦略の余波であり、
民主化、文明化への流れでもある。
こんな布令に従う必要ない!
しかし、役人が強引に押し通す。
大見世との話は当然なかったことに。
【三場】娼妓解放令という難題。
「これで晴れて自由の身だ!!」と、単純に喜べるモノではない。
●里に帰ると喜ぶ者はさっさと旅支度を始める。
●いや、里に帰ってもつまはじきにされるだけだと、残る者もいる。帰る場所はない。
●残ったって、もうここでは商売できないよ。食い扶持に困る。
●娼妓をやめて芸妓として立身しようとする者。
●廓育ちの禿には帰る里がない。→女紅場へ。
※女紅場=政府が作った、遊女の更正場。
●新造は若い男に、嫁にしてくれとせがむ。→逃げる男。
●病の女は死を望む。→堕ちていく医者。
●キリスト教のシスターが救いの手を差し伸べる。→ついていく女郎。
●座敷持ちと牛太郎の恋。ただの女になったのだから。
それぞれの道。それぞれの行き場所。
見えない未来。
さぁ、今夜はこの見世最後の宴といこうじゃないか!!
【四場】1年後。それぞれの道の先に。
非公認で細々と女郎屋を営む、残った者たち。
去った者たちの噂を聞く。
幸せな者もあれば、不幸な者、死んだ者もいる。
私達はいつだって、おエラいさん方の政治とやらに振り回されて。
これからどうなっていくんだろうねぇ。
そこへ新たな布令が。
「貸座敷渡世制度」など。
置屋が女郎を拘束するのではなく、女郎の自由意志によって商売をしても良い、とする。
※置屋=女郎屋。(今で言うところの所属事務所)
※渡世制度=営業規則。
つまり、遊郭・女郎を再び公認するもの。
娼妓解放令の無実化。
喜ぶ女将や女郎。
戻ってくる女郎たち。禿の水揚げを行う。
それぞれの今。それぞれの笑顔。
去った者の、女の幸せ。
女の扱いが変わるわけじゃないけれど、
それでも未来はある。
安心してご飯が食べられる。
そんな幸せ。
終わり。