『Fight in it』 作:岡野陽平 [読み物・作品]

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■上演時間は10~20分。
■「キャリーバッグ」をテーマに。
以上の条件で、5つの芝居を作る。(オムニバス)

という状況。
自分は一つ作れば良いとして。
まずは≪あらすじ≫を書く

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『Fight in it』 ~キャリーバッグの中の闘い~

≪あらすじ≫
旅行先のホテルにチェックイン。荷物を置いて一息ついたら、早速散策に出ようか。
旅行鞄の持ち主が去ると、さぁ始まった・・・鞄の中身たちの自己主張が!

旅行の出発前にはコンパクトにまとめられて、キッチリと鞄に収まったはずの荷物たち。
5泊6日の長期旅行の間に段々と散らかり、5日目ともなるともう収集がつかない!
脱いだ下着や使ったタオルは丸めて突っ込まれ、使用前か使用済みか分からなくなった。
旅行前半は買い控えておいたはずのお土産もいつの間にか溢れんばかりに増えている。
持ってきたけれど一度も出番のない文庫本。途中で買った『大人の絵本』の方が活躍している。
自前の歯ブラシはホテルの歯ブラシを仲間に加えて存在意義を失った。
頻繁に使われるデジカメは羨望の的。でもデジカメにだって不満はある。
鞄の底に埋もれたままの謎の缶。中身は何だ!?

不満と主張のぶつかり合いせめぎ合い。押し合いへし合い押しつぶれ。
そんなとき・・・
急に泣き出した、片方だけになってしまった靴下。
旅行中に行方知れずとなってしまった、もう片方の靴下のことを悲しんでいた。
靴下「靴下工場で生まれてからずっと一緒だった僕の妻。
タンスの中で並んでお昼寝し、洗濯機の中でははぐれないように手を取り合った。
何年もずっと一緒だったのに。こんな異国の地で生き別れるなんて!」
同情する他の荷物たち。

そこへ、
鞄の持ち主(人間)が戻ってきた。
片方になってしまった靴下をゴミ箱に捨てて(!)、
旅行先で買った衣類(Tシャツなど)の中から、現地デザインのカラフルな靴下を取り出して履く。
その瞬間に皆悟るのだ。
「いつの日か、僕たちは捨てられる。
でも、今このひととき、一緒の鞄の中にいるという偶然。この偶然を大切にしよう。
狭いとかつぶれるとか、お互いに不平不満を言うのは止めて、
楽しいカーニバルとしゃれ込もうじゃないか」
今や鞄の中身の心は一つ。小躍りして皆笑顔。

再び戻ってくる鞄の持ち主(人間)。
どこかでお土産として買ってきたのだろう。その手にはちょうど鞄サイズの絵画が・・・。
その絵を鞄に無理矢理に突っ込む。
荷物たち「狭い狭い狭い!!!」(終わり♪)



※参加は5~10人。5人は欲しい。
※あらすじ・台本における、≪自由度≫としての未定部分。
■登場する荷物たち:集まった人数やメンバーの個性にもよる。
■鞄の持ち主(人間):性別など細かい設定。
■旅行先:ハワイなど原住民系、タイ・ベトナムなどアジア系、イタリア・フランスなど西洋系etc。
■起承転結の「承」:片方になった靴下。話自体を変える。
■起承転結の「結」:絵画。別のモノに変更可能。


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