祝!! [all past memories]
8月3日(日)
今春、《ササ》はなんとピッコロ劇団の試験に合格しまして、
念願の「プロの役者」になりました。
そして今、ピッコロシアターの大ホールで
プロとしての初舞台です!!
《ササ》が富山から出てきた時から見ているので、
格段に嬉しいです(´▽`*)
『飛んで 孫悟空』 作:別役実
現代のシルクロードツアー客と、
天竺を目指す三蔵法師の一行と。
《ササ》の役は【竜頭】。
「300年間なにも食べてない、年老いた竜」の役です。
竜の滑稽さ、唄、しっぽの扱いも素晴らしかったです★
ピッコロ劇団の【ファミリー劇場】はいつも面白いです♪
『嘘つき大好き かぐや姫』『さらっていってよ ピーターパン』など。
『飛んで 孫悟空』はまた12月に
「芸術文化センター」で上演する予定のようですので、
ぜひ観てやってくださいヽ(´▽`)ノ
今春、《ササ》はなんとピッコロ劇団の試験に合格しまして、
念願の「プロの役者」になりました。
そして今、ピッコロシアターの大ホールで
プロとしての初舞台です!!
《ササ》が富山から出てきた時から見ているので、
格段に嬉しいです(´▽`*)
『飛んで 孫悟空』 作:別役実
現代のシルクロードツアー客と、
天竺を目指す三蔵法師の一行と。
《ササ》の役は【竜頭】。
「300年間なにも食べてない、年老いた竜」の役です。
竜の滑稽さ、唄、しっぽの扱いも素晴らしかったです★
ピッコロ劇団の【ファミリー劇場】はいつも面白いです♪
『嘘つき大好き かぐや姫』『さらっていってよ ピーターパン』など。
『飛んで 孫悟空』はまた12月に
「芸術文化センター」で上演する予定のようですので、
ぜひ観てやってくださいヽ(´▽`)ノ
残り3回 [all past memories]
昨日に続いての稽古。 [all past memories]
最後の日を迎えました。 [all past memories]
落語『宿屋仇』 [読み物・作品]
落語は同じ作品でも、長く30分以上やったり、10分程度に縮めたり、
演者によっても大きく展開が変わったりします。
《まっそ》が10分程度にまとめました。
落語に大切な冒頭「まくら」は省略。
まくらは毎回、季節なんかによっても変わりますしね(´▽`)
〜〜〜〜〜〜〜
★語り
◎侍
○伊八
清●
喜▲
源やん■
★宿場町というものは面白いものでございます。
昼間はちょろちょろっと旅人が見えるくらいですが、夕方ころになるとあっちゃこっちゃから宿の客引きが出てきてあちらこちらでわあわあとしております。
そんなところ、ある宿の前にお侍さんが一人。
◎紀州屋源助とはそのほう宅であるかな?
○へえ、手前どもでございます。
◎その方が主の源助であるか?
○いえいえ、手前は当家の若いもんでございます。
◎若いもの?若いものにしては頭が剥げておるが
○こんなところに奉公しておりますと、いくつになりましても若いものとこう申しますのんで
◎さようか、あー、名は?なんと申す
○伊八と申します。
◎では伊八、ここに二朱入っておる。これを遣わす
○へえこれはありがとうございます
◎うむ 昨晩の宿では詠歌(えいか)じゃ経じゃ歯ぎしりや果ては駆け落ちものがいちゃいちゃ申すやら、なんともやかましゅうで一睡もできなんだ。今宵は狭くてもかまわん、静かな部屋へ案内してもらいたい。
○かしこまってございます。八番さんへご案内ー!
★と、このお侍を二階の角部屋へと案内したのでございます。
★さてそのあとからやってまいりましたのは若い男の三人連れ。
伊勢参りの帰りと見えまして、景気よくわあわあ言いながら上がってまいりました。
やれ酒だ刺身だ芸者だと、上がるなりどんちゃんどんちゃんの大騒ぎ。
●おーいもっとじゃんじゃん持ってきてくれ!今日はぱーっといくでー!
★一方、隣のお侍、旅日記でもつけて休もうかと筆を執ったところでこの騒ぎ。
◎(手を打ち)伊八ー!伊八ー!
○へい、お呼びで。
◎伊八、部屋を頼んだ折、その方に二朱遣わしたな。
○へえ、確かにちょうだいいたしました。
◎その折りその方になんと申した。狭くても構わん、静かな部屋へ案内してくれというたであろう。それなのに何じゃ隣のあの騒ぎは。どんちゃんどんちゃん騒がしい。即刻、静かな部屋へ変えてもらいたい。
○まことにすまんこってございます、あいにく満室でして…騒ぎを鎮めてまいりますゆえ、どおぞこれにてご辛抱願います。
◎では はようしてくれ。
○かしこまりましてございます。
○ええ、ちょっとごめんを
■おお伊八、ええとこきた まあお前さんもぐーっと一杯
○頂きたいのは山々でございますが、ちょっとお願いしたいことがございまして
源■おおなんやなんや?
○あのお、もう少々お静かにお願いしたいのでございます
清●静かに願いたい?何をいうてるんや、酒、魚におなごと並べて静かになんかできるかい。お静かがよかったらお前、さいしょっからあきまへん とこう言わんかい
○手前ども、賑やかなんはまっこと大歓迎なんですけども、隣のお客さんが「もうちょっと静かにするように」とこう申しますもんで
●なんじゃい。隣の客がいいいよるんか。ほんならこう言うてやれ、お静かにがよかったらそれだけの金出して貸切せんかい!ってなあ
○ええ、言わしてもらわんことないんですけど、実は隣のお客さん、お侍でございまして…
●え 侍 お、おまえそれ先言わんかい!でかい声で言うてしもたわ聞こえてへんやろな…おお~こわ!わい侍嫌いやねん、なんや人斬り包丁持ってごめーんズバーってな…ごめんて誰が許すかってんだ。わかったわかった、しゃーない。もお帰らすしあんじょぉ言うといて…
○スンマセン、おありがとうございます
○えー、あの通り静めて参りましたのでどおぞこれにてご辛抱を
◎ん。手間をかけたな。そちも早く休んでまいれ
★一方、「お静かに」言われた三人組は。
清●あほらしなってきたなー、ちょっと騒いだだけやないかい。今日は夜通し騒ごーおもとったんに…しゃーない、もお寝よか
喜▲なんや、飯食わんのか?
源■まああんだけ食うたんや、もおええやないか。おーい、
○へい、お呼びで
■おお伊八っとん、布団ひいてんか
○もおおやすみでっか
●しゃーないがな、また「お静かに」言われたらかなわんからな
○こりゃまことにあいすまんこってす、すぐにお布団をお敷きいたします
●あーあ、ホンマあほらしなってきたなあ。ちょーっとわあわあ言うただけやで
▲清やん、まあそお言いなや、すんなり行った旅なんかオモロないで、気分よおぱーっとやってたら隣のお侍に「お静かに」食ろてさっさと布団もぐったなんて話のタネんなっておもろいやないか
■しかし、今回の旅はおもろかったなあ
▲おもろかったなあ、今回は特に、どこいっても兵庫のもんや、いうたらおぉ、兵庫かいな、いうて兵庫ちゅうとこ知っててくれたやろ、あれがうれしかったねえ
●当たり前やないか、兵庫は有名なとこやで。なんたってええ相撲取りが出てるからなあ
▲そんなもんか?
●当たり前やないか。みーんな出身地の名前頭に頂いて日本中旅しとおねんで、ええ相撲取りが出たら有名にもなるがな
■わいが一番好きなんはあれや、相撲が好きで好きで、坊さんやめてもおた…
▲捨衣やな、見たでえ、あれは体は小さいけどなかなかのもんや、こないしてグっと持ってな
●こらこらこら、わいのフンドシ引っ張ってどおすんねん、ちょちょちょ待ち…そおい
▲おお、やんのんか、そっちがその気なら
■待った待った、布団の中で相撲取りな、お、お、立った!立った!のこったのこった!なかなかやるやないか、八卦良い、八卦、お、勝負あったー!!
●いたーい!
◎(手を打ち)伊八ー!伊八ー!
○またかいな。へい、お呼びで。
◎伊八、部屋を頼んだ折、その方に二朱遣わしたな。
○へえ、確かにちょうだいいたしました。
◎その折りその方になんと申した。狭くても構わん、静かな部屋へ案内してくれというたであろう。それなのに何じゃ隣のあの騒ぎは。今度は相撲か、どったんばったんいたあーいとは何事か。即刻、静かな部屋へ変えてもらいたい。
○まことにすまんこってございます、先ほども申し上げました通り、あいにく満室でして…騒ぎを鎮めてまいりますゆえ、どおぞこれにてご辛抱願います。
◎では はようしてくれ。
○かしこまりましてございます。
★急いでとなりの部屋を覗いてみますと、のこったのこった布団の上で大立回り。綿も飛び出しそうな勢いでございます。
○うわー、こりゃえらい騒ぎや。ちょっとご免を
▲よおーっしゃあ、ほんならもっぺんおまんと勝負やあ!
○あのー、隣のお侍
●うわ!すっかり忘れとった、ご免、もう寝る、堪忍や!
○こっちも寝さしてもらえませんで、どおぞお静かにお休みくださいますよう…
○あの通り静めて参りました故、どおぞこれにてご辛抱を
◎たびたび手間をかけたな、そちも早く休んでくれ
★またまたお静かに、言われた三人組。今度こそおとなしく布団にもぐりこみました。
●いやーいかん。相撲の話はどうしても力が入る。なんか力の入らん話にしよ、力の入らん話ちゅうたら…あれか
■あれやな
▲なんや
●色事の話に決まってるがな、
▲んなもんあるかいな、この顔触れで
■ある
▲源やん、あるんか
●ほんまかいな
■ほんまも何も、俺は間男したぞ、それもそこらの子守女やない、侍の嫁はん間男して、人ふたあり殺して五十両もって逃げて、見ての通りいまだに捕まらんっちゅうねん
▲ひゃー、ホンマかいな、いつの話や?
■もう八年ほど前になるか、オジキの手伝いで行ったお侍の屋敷でな、ごっつい綺麗どころやで、ええー感じになって…まあそこでゴジャゴジャあったと思いンか。そしたらや、運悪く侍の弟にみつかってもうて、こりゃどうしょうもない、逃げるが勝ちやとおもうてバーッと出よったら、向こうさんの廊下があんまりピッカピカに磨いてあるもんやから、つーっと滑って刀がつるり、ワイのほうへ飛んできよった。もうそれ、そこは無我夢中でカタナ引っ掴んでわぁーっと突いた突いた
▲えらい勢いや
■えらいことなったいうて奥方真っ青や、かくなる上は「わらわを連れて逃げてくれ」ときたもんだ。せやかて、女連れでそない逃げられるわけがない。しゃあない、路銀やいうてもろた五十両はありがたーく頂いてズバー
●奥さんまで斬ったんかい
■そないせな逃げられんやろおが。どや、これくらいの話はあるか
▲はあー源やんやるなあ、聞いたか清やん
●聞いた聞いた、どえらい色事師や
▲よっ!源やん色男!イケメン!モテ男!
◎(手を打ち)伊八ー!伊八ー!
○またかいな、寝さしよらんなこら。お次はなんざんしょ… へい、お呼びで
◎伊八、喜んでくれ
○へえ、それはおめでとうございます なんでございましょ
◎実はな、八年ほど前、藩許(くにもと)において妻、弟を討たれ、仇討ちのために諸国を巡っておったのだが、今宵その仇のありかがわかったのじゃ
○それはそれは、して その仇と申しますのは?
◎隣の部屋に泊まりおる男衆、その源やんとかいうやつじゃ。たった今、おのが口からぺらぺらと白状しおった。かくなるうえは直ぐにでも討つ!と言いたいところじゃが、その方らに迷惑を掛けるのも気が引ける。明朝店を出てすぐ、出会い頭に討つことにいたす。それまでの間、しかと見張っておけよ。あとのふたりは友であれば助太刀をするであろうが、ついでじゃ、助太刀せずともついでにズバッといてまお。
よいか、一人たりとも逃がすでないぞ。そのときは宿じゅう連帯責任じゃ、ズバッといく
★きつーく伊八に申し付けると、お侍は刀の手入れを始めてしまいました
○どえらいことになったでえ。ええ、ええ、ではしっかりと縛りつけておきますで…
○というわけでございまして失礼をば
■うえええコワあああ、嘘じゃ、嘘じゃ、聞いた話をワシのことみたいに言うただけやて
○ああこら、暴れんで下さいませ、縛りにくうございます。そう申されましてもね、お侍も偉い剣幕で おかわいそうですがズバッと
■そんなあほな
●待て待て、なんでわしらまで一緒にしばられてんねん!
○お二人さんも、ついでにずばーっといくいうてましたんで、ご一緒に
▲ついでぇ!?ついでに斬られてまうのんか
★もう宿中がしずかーに大騒ぎでございます。
柱に括られた三人組は、塩かけた菜っ葉みたいにシューン。
そうしていよいよ朝がやってまいりました。
◎(手を打ち)伊八―!伊八―!
○あーもうトラウマや、当分この声聞こえてくるわ。へえ、お呼びで
◎おお、伊八か。昨夜はずいぶん手間を掛けさせたな、これは礼じゃ、とっておけ
○ありがとうございます…。で、あの三人はいかように
◎そうじゃな、泊まるなり発つなりさせてやれ。
○へ?仇討ちの件は
◎仇? はっはっは!伊八、許せ。ありゃ嘘じゃ
○嘘ぉ! おかげでだーれも寝てませんねんで、なんでまたそんな大層な嘘を
◎伊八、許せ。ああでも申さんと、また夜通し寝かしおらんわい。
(おわり)
演者によっても大きく展開が変わったりします。
《まっそ》が10分程度にまとめました。
落語に大切な冒頭「まくら」は省略。
まくらは毎回、季節なんかによっても変わりますしね(´▽`)
〜〜〜〜〜〜〜
★語り
◎侍
○伊八
清●
喜▲
源やん■
★宿場町というものは面白いものでございます。
昼間はちょろちょろっと旅人が見えるくらいですが、夕方ころになるとあっちゃこっちゃから宿の客引きが出てきてあちらこちらでわあわあとしております。
そんなところ、ある宿の前にお侍さんが一人。
◎紀州屋源助とはそのほう宅であるかな?
○へえ、手前どもでございます。
◎その方が主の源助であるか?
○いえいえ、手前は当家の若いもんでございます。
◎若いもの?若いものにしては頭が剥げておるが
○こんなところに奉公しておりますと、いくつになりましても若いものとこう申しますのんで
◎さようか、あー、名は?なんと申す
○伊八と申します。
◎では伊八、ここに二朱入っておる。これを遣わす
○へえこれはありがとうございます
◎うむ 昨晩の宿では詠歌(えいか)じゃ経じゃ歯ぎしりや果ては駆け落ちものがいちゃいちゃ申すやら、なんともやかましゅうで一睡もできなんだ。今宵は狭くてもかまわん、静かな部屋へ案内してもらいたい。
○かしこまってございます。八番さんへご案内ー!
★と、このお侍を二階の角部屋へと案内したのでございます。
★さてそのあとからやってまいりましたのは若い男の三人連れ。
伊勢参りの帰りと見えまして、景気よくわあわあ言いながら上がってまいりました。
やれ酒だ刺身だ芸者だと、上がるなりどんちゃんどんちゃんの大騒ぎ。
●おーいもっとじゃんじゃん持ってきてくれ!今日はぱーっといくでー!
★一方、隣のお侍、旅日記でもつけて休もうかと筆を執ったところでこの騒ぎ。
◎(手を打ち)伊八ー!伊八ー!
○へい、お呼びで。
◎伊八、部屋を頼んだ折、その方に二朱遣わしたな。
○へえ、確かにちょうだいいたしました。
◎その折りその方になんと申した。狭くても構わん、静かな部屋へ案内してくれというたであろう。それなのに何じゃ隣のあの騒ぎは。どんちゃんどんちゃん騒がしい。即刻、静かな部屋へ変えてもらいたい。
○まことにすまんこってございます、あいにく満室でして…騒ぎを鎮めてまいりますゆえ、どおぞこれにてご辛抱願います。
◎では はようしてくれ。
○かしこまりましてございます。
○ええ、ちょっとごめんを
■おお伊八、ええとこきた まあお前さんもぐーっと一杯
○頂きたいのは山々でございますが、ちょっとお願いしたいことがございまして
源■おおなんやなんや?
○あのお、もう少々お静かにお願いしたいのでございます
清●静かに願いたい?何をいうてるんや、酒、魚におなごと並べて静かになんかできるかい。お静かがよかったらお前、さいしょっからあきまへん とこう言わんかい
○手前ども、賑やかなんはまっこと大歓迎なんですけども、隣のお客さんが「もうちょっと静かにするように」とこう申しますもんで
●なんじゃい。隣の客がいいいよるんか。ほんならこう言うてやれ、お静かにがよかったらそれだけの金出して貸切せんかい!ってなあ
○ええ、言わしてもらわんことないんですけど、実は隣のお客さん、お侍でございまして…
●え 侍 お、おまえそれ先言わんかい!でかい声で言うてしもたわ聞こえてへんやろな…おお~こわ!わい侍嫌いやねん、なんや人斬り包丁持ってごめーんズバーってな…ごめんて誰が許すかってんだ。わかったわかった、しゃーない。もお帰らすしあんじょぉ言うといて…
○スンマセン、おありがとうございます
○えー、あの通り静めて参りましたのでどおぞこれにてご辛抱を
◎ん。手間をかけたな。そちも早く休んでまいれ
★一方、「お静かに」言われた三人組は。
清●あほらしなってきたなー、ちょっと騒いだだけやないかい。今日は夜通し騒ごーおもとったんに…しゃーない、もお寝よか
喜▲なんや、飯食わんのか?
源■まああんだけ食うたんや、もおええやないか。おーい、
○へい、お呼びで
■おお伊八っとん、布団ひいてんか
○もおおやすみでっか
●しゃーないがな、また「お静かに」言われたらかなわんからな
○こりゃまことにあいすまんこってす、すぐにお布団をお敷きいたします
●あーあ、ホンマあほらしなってきたなあ。ちょーっとわあわあ言うただけやで
▲清やん、まあそお言いなや、すんなり行った旅なんかオモロないで、気分よおぱーっとやってたら隣のお侍に「お静かに」食ろてさっさと布団もぐったなんて話のタネんなっておもろいやないか
■しかし、今回の旅はおもろかったなあ
▲おもろかったなあ、今回は特に、どこいっても兵庫のもんや、いうたらおぉ、兵庫かいな、いうて兵庫ちゅうとこ知っててくれたやろ、あれがうれしかったねえ
●当たり前やないか、兵庫は有名なとこやで。なんたってええ相撲取りが出てるからなあ
▲そんなもんか?
●当たり前やないか。みーんな出身地の名前頭に頂いて日本中旅しとおねんで、ええ相撲取りが出たら有名にもなるがな
■わいが一番好きなんはあれや、相撲が好きで好きで、坊さんやめてもおた…
▲捨衣やな、見たでえ、あれは体は小さいけどなかなかのもんや、こないしてグっと持ってな
●こらこらこら、わいのフンドシ引っ張ってどおすんねん、ちょちょちょ待ち…そおい
▲おお、やんのんか、そっちがその気なら
■待った待った、布団の中で相撲取りな、お、お、立った!立った!のこったのこった!なかなかやるやないか、八卦良い、八卦、お、勝負あったー!!
●いたーい!
◎(手を打ち)伊八ー!伊八ー!
○またかいな。へい、お呼びで。
◎伊八、部屋を頼んだ折、その方に二朱遣わしたな。
○へえ、確かにちょうだいいたしました。
◎その折りその方になんと申した。狭くても構わん、静かな部屋へ案内してくれというたであろう。それなのに何じゃ隣のあの騒ぎは。今度は相撲か、どったんばったんいたあーいとは何事か。即刻、静かな部屋へ変えてもらいたい。
○まことにすまんこってございます、先ほども申し上げました通り、あいにく満室でして…騒ぎを鎮めてまいりますゆえ、どおぞこれにてご辛抱願います。
◎では はようしてくれ。
○かしこまりましてございます。
★急いでとなりの部屋を覗いてみますと、のこったのこった布団の上で大立回り。綿も飛び出しそうな勢いでございます。
○うわー、こりゃえらい騒ぎや。ちょっとご免を
▲よおーっしゃあ、ほんならもっぺんおまんと勝負やあ!
○あのー、隣のお侍
●うわ!すっかり忘れとった、ご免、もう寝る、堪忍や!
○こっちも寝さしてもらえませんで、どおぞお静かにお休みくださいますよう…
○あの通り静めて参りました故、どおぞこれにてご辛抱を
◎たびたび手間をかけたな、そちも早く休んでくれ
★またまたお静かに、言われた三人組。今度こそおとなしく布団にもぐりこみました。
●いやーいかん。相撲の話はどうしても力が入る。なんか力の入らん話にしよ、力の入らん話ちゅうたら…あれか
■あれやな
▲なんや
●色事の話に決まってるがな、
▲んなもんあるかいな、この顔触れで
■ある
▲源やん、あるんか
●ほんまかいな
■ほんまも何も、俺は間男したぞ、それもそこらの子守女やない、侍の嫁はん間男して、人ふたあり殺して五十両もって逃げて、見ての通りいまだに捕まらんっちゅうねん
▲ひゃー、ホンマかいな、いつの話や?
■もう八年ほど前になるか、オジキの手伝いで行ったお侍の屋敷でな、ごっつい綺麗どころやで、ええー感じになって…まあそこでゴジャゴジャあったと思いンか。そしたらや、運悪く侍の弟にみつかってもうて、こりゃどうしょうもない、逃げるが勝ちやとおもうてバーッと出よったら、向こうさんの廊下があんまりピッカピカに磨いてあるもんやから、つーっと滑って刀がつるり、ワイのほうへ飛んできよった。もうそれ、そこは無我夢中でカタナ引っ掴んでわぁーっと突いた突いた
▲えらい勢いや
■えらいことなったいうて奥方真っ青や、かくなる上は「わらわを連れて逃げてくれ」ときたもんだ。せやかて、女連れでそない逃げられるわけがない。しゃあない、路銀やいうてもろた五十両はありがたーく頂いてズバー
●奥さんまで斬ったんかい
■そないせな逃げられんやろおが。どや、これくらいの話はあるか
▲はあー源やんやるなあ、聞いたか清やん
●聞いた聞いた、どえらい色事師や
▲よっ!源やん色男!イケメン!モテ男!
◎(手を打ち)伊八ー!伊八ー!
○またかいな、寝さしよらんなこら。お次はなんざんしょ… へい、お呼びで
◎伊八、喜んでくれ
○へえ、それはおめでとうございます なんでございましょ
◎実はな、八年ほど前、藩許(くにもと)において妻、弟を討たれ、仇討ちのために諸国を巡っておったのだが、今宵その仇のありかがわかったのじゃ
○それはそれは、して その仇と申しますのは?
◎隣の部屋に泊まりおる男衆、その源やんとかいうやつじゃ。たった今、おのが口からぺらぺらと白状しおった。かくなるうえは直ぐにでも討つ!と言いたいところじゃが、その方らに迷惑を掛けるのも気が引ける。明朝店を出てすぐ、出会い頭に討つことにいたす。それまでの間、しかと見張っておけよ。あとのふたりは友であれば助太刀をするであろうが、ついでじゃ、助太刀せずともついでにズバッといてまお。
よいか、一人たりとも逃がすでないぞ。そのときは宿じゅう連帯責任じゃ、ズバッといく
★きつーく伊八に申し付けると、お侍は刀の手入れを始めてしまいました
○どえらいことになったでえ。ええ、ええ、ではしっかりと縛りつけておきますで…
○というわけでございまして失礼をば
■うえええコワあああ、嘘じゃ、嘘じゃ、聞いた話をワシのことみたいに言うただけやて
○ああこら、暴れんで下さいませ、縛りにくうございます。そう申されましてもね、お侍も偉い剣幕で おかわいそうですがズバッと
■そんなあほな
●待て待て、なんでわしらまで一緒にしばられてんねん!
○お二人さんも、ついでにずばーっといくいうてましたんで、ご一緒に
▲ついでぇ!?ついでに斬られてまうのんか
★もう宿中がしずかーに大騒ぎでございます。
柱に括られた三人組は、塩かけた菜っ葉みたいにシューン。
そうしていよいよ朝がやってまいりました。
◎(手を打ち)伊八―!伊八―!
○あーもうトラウマや、当分この声聞こえてくるわ。へえ、お呼びで
◎おお、伊八か。昨夜はずいぶん手間を掛けさせたな、これは礼じゃ、とっておけ
○ありがとうございます…。で、あの三人はいかように
◎そうじゃな、泊まるなり発つなりさせてやれ。
○へ?仇討ちの件は
◎仇? はっはっは!伊八、許せ。ありゃ嘘じゃ
○嘘ぉ! おかげでだーれも寝てませんねんで、なんでまたそんな大層な嘘を
◎伊八、許せ。ああでも申さんと、また夜通し寝かしおらんわい。
(おわり)
『心もヨシ子なら』 [読み物・作品]
2014年 納涼演劇祭のために書き下ろした作品。
何度か、大きく書き直されているので、
◎原案《岡野陽平》
◎あらすじ《ちゃんこ》&《つるにゃん》
◎脚色《岡野陽平》
という感じで完成しました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『心もヨシ子なら』
------------------------------------------------
道具:椅子、小机、電気コード、バナナ、珈琲カップ
衣装:白衣、うさみみ、メイド服
------------------------------------------------
■紙くずが散らばった部屋。
明け方、外で鳥がチュンチュン鳴き始めている
博士 「・・・ついに完成したぞ! さあ目覚めよ! 殺人アンドロイドよ!」
■スイッチON(ウサ耳左)
■アンドロイド、立ち上がり、なめらかに動き出す。
アン 「おはようございます、博士」
博士 「うむ!早速テストだ! お前の名前は!?」
アン 「良子です」
博士 「今日の日付は!?」
アン 「2014年8月20日水曜日」
博士 「今の時間は!?」
アン 「午前5時32分40秒です」
博士 「今日の天気は!?」
アン 「晴れ時々曇り、最低気温●℃、最高気温は●℃」
博士 「うむ。素晴らしい」
アン 「そんなの携帯見ても分かりますよ」
博士 「そ、そうだな。じゃぁ、良子は占いが好きだったし
…今日の私の運勢は!」
アン 「小吉。今日は何もしないで家で寝ていましょう。…微妙ですね」
博士 「ラッキーカラーは?」
アン 「黄色です」
博士 「黄色か」
アン 「博士、何か黄色い物はありますか?」
博士 「あ!バナナ買ってある!!よし!! これで今日は上手くいく!」
アン 「ですね♪」
博士 「よし!顔も良子、見た目も声も良子、思考回路もまるごと良子♪
すばらしい!!」
アン 「炊事、洗濯、掃除、何でもご命令を」
博士 「そんなのはいい!! 復讐を、してもらおう」
アン 「復讐?」
博士 「そう、良子のための復讐だ! お前はただの良子じゃない!殺人アンドロイドなんだ!」
■照明切り替わり、暗闇にスポットライト。
場所がズレてて良い。アンドロイドがスポットに入ってくる。
入ってから、
アン 「ガガーーーーン!! なぜ良子にそんな機能付けたし!
・・・ダメ、絶対」
■照明戻る。
アン 「ガガガ・・・フクシュウ・・・フクシュウ」
博士 「そうだ!(むふふ)復讐だ!!(むふふ)」
アン 「昨日の授業は132ページから154ページの10行目まででした」
博士 「そうそう。スゴく難しかったよね。ていうか、何の授業だったっけ?」
アン 「数学です。っていうかそれすらも分かってなかったんですか」
博士 「てへー★ って! その復讐じゃない!学生でもない!
ていうかネタがベタ過ぎ!」
■無視して、アンドロイドが床に落ちてる服をたたみ出す。
アン 「博士、この服はどこに収納しましょうか?」
博士 「ああ、そこに置いといて。いや~綺麗に片付けてくれてほんと助かるな~って、え、何?服の収納?」
アン 「はい、服の収納でフク・シュウです」
博士 「服の収納はそんな約し方しません!」
アン 「ふっくしゅん、ふっくしゅん・・・」
博士 「え? それ、くしゃみなの??」
アン 「誰かが私の噂をしてる…」
博士 「てか、アンドロイドもくしゃみするの??」
アン 「アンドロイドもくしゃみするの?」
博士 「私が聞いてるんだ!」
アン 「私がきいてるんだ!」
博士 「え?」
アン 「え?」
博士 「なんでマネするんだ!?」
アン 「博士、復唱しろって言ったじゃないですか」
博士 「復唱じゃない!ふくしゅう!」
アン 「・・・」
アン 「ホウホウ・・・ホウホウ・・・ホウホウ・・・」
博士 「何それ? 何、急に??」
アン 「ホウホウ・・・ホウホウ」
博士 「ふくろう?」
アン 「正解です!博士、スゴい!」
博士 「やったー、って、なんでや!!
フクロウとフクシュウって、フクしか同じじゃないじゃん!ヒド過ぎ!
フク・シュウだ! シュウ!シュウ!シュウ!」
アン 「しゅう・しゅう・しゅう!」
博士 「いい加減にしろ! おまえはなんのために作られたんだ?」
アン 「私は良子として、博士のそばに居るために・・・」
博士 「それだけじゃない!! お前は殺人アンドロイドなんだ!」
アン 「私は良子です。アイム・ヨシコ」
■照明切り替わり、暗闇にスポットライト。
場所がズレてて良い。博士がスポットに入ってくる。
入ってから、
博士 「・・・やっぱり、私が作ったものはこんなもんなのか・・・」
■アンドロイドも入ってきて、
アン 「博士は天才ですよ。・・・昔から天才です」
博士 「良子・・・」
博士 「いや!! お前は殺人アンドロイドだ!復讐のために作ったんだ!」
■博士が良子を払いのける。 照明戻る。
■ウルトラマンの3分経った時のような音が鳴り出す
アン 「バッテリー残り10パーセント!!!」
博士 「ええ? 電池もちわるーー!」
アン 「バッテリーを交換してください」
博士 「そんなのないよー!!」
アン 「電源ダウンまであと3分」
博士 「あと3分!?・・・あ!コンセント!コンセント!!」
■博士、アンドロイドからコードをひっぱりだして、コンセントへ刺す
アン 「充電開始しました」
博士 「ほっ。・・・? ってか、コンセント刺してたら外出れないじゃん!!」
博士 「しょうがない、こうなったら、必殺!ミサイルだ。えい!」
■博士、アンドロイドのウサ耳右のスイッチON!
アン 「ミサイルモードになりました」
うぃーん、がしょん。うぃーん、がしょん。
ミサイル発射30秒前」(口からミサイルがでる)
博士 「これで一気にふっ飛ばしてやる」
アン 「20秒前・・・目的地はどちらでしょう?」
博士 「あれ?ちょっとまって。どっちだっけ?」
アン 「10秒前・・・目的地はどちらでしょう?」
博士 「こっち向くな!あっちあっち!」
アン 「住所をお願いします!」
博士 「え!? えっと、兵庫県…あ~(尼崎市)」
アン 「郵便番号からお願いします」
博士 「そんなの知らんし!」
アン 「5、4、3・・・」
博士 「うわ! バカ! 止まれーーー!」
■博士アンドロイドの顔を勢いよく殴ってしまう
バチバチバチバチ!!!ぴかちゅうの電気のような音。
アン 「ミサイルを停止しました。」
博士 「ふう・・・助かった・・・。ていうか、大丈夫か? 壊れてない?」
アン 「何ともないですけど…」
博士 「そうか。…はぁ、なんか疲れたな。ちょっと休憩しよう。良子、コーヒーでも淹れてくれ。」
アン 「は、はい、分かりました」
博士「はぁ。やっぱり私はダメだ。
幼稚園のお受験でもスキップができずに失敗して、
小学校入試でも落ちて、中学校入試ではインフルかかるし、
動物園行けばゴリラにフン投げられるし、
レタス買ったらだいだい腐ってるし、
電車並んでてもだいたいおばちゃんに割り込まれるし・・・
■アンドロイドがバナナと珈琲を持ってくる。
アン 「はい、どうぞ」
博士 「…ぶつぶつ」
■アンドロイドがバナナをかじる。
アン 「あ!
博士 「え?」
アン 「博士、朝ごはんも食べてない!」
■バナナを博士のくちにねじ込む
博士 「おい!?」
アン 「あ、博士、顔色がよくない!」
博士 「そうか?てか、バナナそんなにつっこまれたら顔色も悪くなるわ!」
アン 「博士、寝たほうがいい、寝ろ、寝ろ(無理やり)」
博士 「寝てなんていられるか!長年の夢が叶うという時に!!
てかなんか怒ってない!?」
アン 「オマエ、さっきアタマ、殴ったやろ!」
博士 「え!? さっきの?」
アン 「ヨクモ、ナグッタナ、女はな、顔がイノチや!!」
博士 「ごめん!わざとじゃないんだ、・・・てかお前ロボットだろ!!」
アン 「私は良子や!!ネロ、ネロ!永遠にネテロ!!」おそいかかる
博士 「恐い!恐い! めっちゃ良子!! 恐さも良子!」
アン 「そうやでーー!!」
■博士が押し倒される
アンドロイドが謎の子守唄歌い始める。
アン 「♪(唄)」
博士 「これはっ!催眠攻撃・・グ・・・ぐがー・・・」
■博士そのまま入眠。
博士 「良子・・・絶対、仇は取るからな・・・(むにゃむにゃ)」
■やさしい子守歌のようなオルゴールの音
アン 「ふふふふふ・・・上手くいった。 復讐なんてダメよ、信夫さん」
■上着をかける。散乱した紙くずなどを片付ける
アン 「信夫さん、あなたは本当に天才ね。私、良子だわ。
まんま良子。心も良子。アイム・良子」
これからもずっ~と一緒よ」
■照明、F.O。 その消え際に、正面を向いて
アン 「アイム・良子」
★公演では、暗転後に再びスポットが点いて「アイム・ヨシ子」でした。
(終わり)
何度か、大きく書き直されているので、
◎原案《岡野陽平》
◎あらすじ《ちゃんこ》&《つるにゃん》
◎脚色《岡野陽平》
という感じで完成しました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『心もヨシ子なら』
------------------------------------------------
道具:椅子、小机、電気コード、バナナ、珈琲カップ
衣装:白衣、うさみみ、メイド服
------------------------------------------------
■紙くずが散らばった部屋。
明け方、外で鳥がチュンチュン鳴き始めている
博士 「・・・ついに完成したぞ! さあ目覚めよ! 殺人アンドロイドよ!」
■スイッチON(ウサ耳左)
■アンドロイド、立ち上がり、なめらかに動き出す。
アン 「おはようございます、博士」
博士 「うむ!早速テストだ! お前の名前は!?」
アン 「良子です」
博士 「今日の日付は!?」
アン 「2014年8月20日水曜日」
博士 「今の時間は!?」
アン 「午前5時32分40秒です」
博士 「今日の天気は!?」
アン 「晴れ時々曇り、最低気温●℃、最高気温は●℃」
博士 「うむ。素晴らしい」
アン 「そんなの携帯見ても分かりますよ」
博士 「そ、そうだな。じゃぁ、良子は占いが好きだったし
…今日の私の運勢は!」
アン 「小吉。今日は何もしないで家で寝ていましょう。…微妙ですね」
博士 「ラッキーカラーは?」
アン 「黄色です」
博士 「黄色か」
アン 「博士、何か黄色い物はありますか?」
博士 「あ!バナナ買ってある!!よし!! これで今日は上手くいく!」
アン 「ですね♪」
博士 「よし!顔も良子、見た目も声も良子、思考回路もまるごと良子♪
すばらしい!!」
アン 「炊事、洗濯、掃除、何でもご命令を」
博士 「そんなのはいい!! 復讐を、してもらおう」
アン 「復讐?」
博士 「そう、良子のための復讐だ! お前はただの良子じゃない!殺人アンドロイドなんだ!」
■照明切り替わり、暗闇にスポットライト。
場所がズレてて良い。アンドロイドがスポットに入ってくる。
入ってから、
アン 「ガガーーーーン!! なぜ良子にそんな機能付けたし!
・・・ダメ、絶対」
■照明戻る。
アン 「ガガガ・・・フクシュウ・・・フクシュウ」
博士 「そうだ!(むふふ)復讐だ!!(むふふ)」
アン 「昨日の授業は132ページから154ページの10行目まででした」
博士 「そうそう。スゴく難しかったよね。ていうか、何の授業だったっけ?」
アン 「数学です。っていうかそれすらも分かってなかったんですか」
博士 「てへー★ って! その復讐じゃない!学生でもない!
ていうかネタがベタ過ぎ!」
■無視して、アンドロイドが床に落ちてる服をたたみ出す。
アン 「博士、この服はどこに収納しましょうか?」
博士 「ああ、そこに置いといて。いや~綺麗に片付けてくれてほんと助かるな~って、え、何?服の収納?」
アン 「はい、服の収納でフク・シュウです」
博士 「服の収納はそんな約し方しません!」
アン 「ふっくしゅん、ふっくしゅん・・・」
博士 「え? それ、くしゃみなの??」
アン 「誰かが私の噂をしてる…」
博士 「てか、アンドロイドもくしゃみするの??」
アン 「アンドロイドもくしゃみするの?」
博士 「私が聞いてるんだ!」
アン 「私がきいてるんだ!」
博士 「え?」
アン 「え?」
博士 「なんでマネするんだ!?」
アン 「博士、復唱しろって言ったじゃないですか」
博士 「復唱じゃない!ふくしゅう!」
アン 「・・・」
アン 「ホウホウ・・・ホウホウ・・・ホウホウ・・・」
博士 「何それ? 何、急に??」
アン 「ホウホウ・・・ホウホウ」
博士 「ふくろう?」
アン 「正解です!博士、スゴい!」
博士 「やったー、って、なんでや!!
フクロウとフクシュウって、フクしか同じじゃないじゃん!ヒド過ぎ!
フク・シュウだ! シュウ!シュウ!シュウ!」
アン 「しゅう・しゅう・しゅう!」
博士 「いい加減にしろ! おまえはなんのために作られたんだ?」
アン 「私は良子として、博士のそばに居るために・・・」
博士 「それだけじゃない!! お前は殺人アンドロイドなんだ!」
アン 「私は良子です。アイム・ヨシコ」
■照明切り替わり、暗闇にスポットライト。
場所がズレてて良い。博士がスポットに入ってくる。
入ってから、
博士 「・・・やっぱり、私が作ったものはこんなもんなのか・・・」
■アンドロイドも入ってきて、
アン 「博士は天才ですよ。・・・昔から天才です」
博士 「良子・・・」
博士 「いや!! お前は殺人アンドロイドだ!復讐のために作ったんだ!」
■博士が良子を払いのける。 照明戻る。
■ウルトラマンの3分経った時のような音が鳴り出す
アン 「バッテリー残り10パーセント!!!」
博士 「ええ? 電池もちわるーー!」
アン 「バッテリーを交換してください」
博士 「そんなのないよー!!」
アン 「電源ダウンまであと3分」
博士 「あと3分!?・・・あ!コンセント!コンセント!!」
■博士、アンドロイドからコードをひっぱりだして、コンセントへ刺す
アン 「充電開始しました」
博士 「ほっ。・・・? ってか、コンセント刺してたら外出れないじゃん!!」
博士 「しょうがない、こうなったら、必殺!ミサイルだ。えい!」
■博士、アンドロイドのウサ耳右のスイッチON!
アン 「ミサイルモードになりました」
うぃーん、がしょん。うぃーん、がしょん。
ミサイル発射30秒前」(口からミサイルがでる)
博士 「これで一気にふっ飛ばしてやる」
アン 「20秒前・・・目的地はどちらでしょう?」
博士 「あれ?ちょっとまって。どっちだっけ?」
アン 「10秒前・・・目的地はどちらでしょう?」
博士 「こっち向くな!あっちあっち!」
アン 「住所をお願いします!」
博士 「え!? えっと、兵庫県…あ~(尼崎市)」
アン 「郵便番号からお願いします」
博士 「そんなの知らんし!」
アン 「5、4、3・・・」
博士 「うわ! バカ! 止まれーーー!」
■博士アンドロイドの顔を勢いよく殴ってしまう
バチバチバチバチ!!!ぴかちゅうの電気のような音。
アン 「ミサイルを停止しました。」
博士 「ふう・・・助かった・・・。ていうか、大丈夫か? 壊れてない?」
アン 「何ともないですけど…」
博士 「そうか。…はぁ、なんか疲れたな。ちょっと休憩しよう。良子、コーヒーでも淹れてくれ。」
アン 「は、はい、分かりました」
博士「はぁ。やっぱり私はダメだ。
幼稚園のお受験でもスキップができずに失敗して、
小学校入試でも落ちて、中学校入試ではインフルかかるし、
動物園行けばゴリラにフン投げられるし、
レタス買ったらだいだい腐ってるし、
電車並んでてもだいたいおばちゃんに割り込まれるし・・・
■アンドロイドがバナナと珈琲を持ってくる。
アン 「はい、どうぞ」
博士 「…ぶつぶつ」
■アンドロイドがバナナをかじる。
アン 「あ!
博士 「え?」
アン 「博士、朝ごはんも食べてない!」
■バナナを博士のくちにねじ込む
博士 「おい!?」
アン 「あ、博士、顔色がよくない!」
博士 「そうか?てか、バナナそんなにつっこまれたら顔色も悪くなるわ!」
アン 「博士、寝たほうがいい、寝ろ、寝ろ(無理やり)」
博士 「寝てなんていられるか!長年の夢が叶うという時に!!
てかなんか怒ってない!?」
アン 「オマエ、さっきアタマ、殴ったやろ!」
博士 「え!? さっきの?」
アン 「ヨクモ、ナグッタナ、女はな、顔がイノチや!!」
博士 「ごめん!わざとじゃないんだ、・・・てかお前ロボットだろ!!」
アン 「私は良子や!!ネロ、ネロ!永遠にネテロ!!」おそいかかる
博士 「恐い!恐い! めっちゃ良子!! 恐さも良子!」
アン 「そうやでーー!!」
■博士が押し倒される
アンドロイドが謎の子守唄歌い始める。
アン 「♪(唄)」
博士 「これはっ!催眠攻撃・・グ・・・ぐがー・・・」
■博士そのまま入眠。
博士 「良子・・・絶対、仇は取るからな・・・(むにゃむにゃ)」
■やさしい子守歌のようなオルゴールの音
アン 「ふふふふふ・・・上手くいった。 復讐なんてダメよ、信夫さん」
■上着をかける。散乱した紙くずなどを片付ける
アン 「信夫さん、あなたは本当に天才ね。私、良子だわ。
まんま良子。心も良子。アイム・良子」
これからもずっ~と一緒よ」
■照明、F.O。 その消え際に、正面を向いて
アン 「アイム・良子」
★公演では、暗転後に再びスポットが点いて「アイム・ヨシ子」でした。
(終わり)
『少し未来の自分』 [読み物・作品]
2014年 納涼演劇祭にて上演。
一人芝居 作:岡野陽平
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『少し未来の自分』
やぁボク。あ、落ち着いて!慌てるな。
驚くのも無理は無い。
でも、説明しなくてもこの顔を見たら分かるよな?
僕は君だ。君は僕自身だ。
僕はね、明日の君なんだ。
いや、僕には明日がなかったのだから、今日の君、なんだろうか。
話が唐突かもしれない。(共に歩き出す)
でも、未来の自分が過去の自分に会いに行く、
そこには理由は一つしかないと思わないか?
そう、「未来を変えたい」
これから君は信じられない出来事に遭遇する。
いや、とんでもない女に出会う。
そいつのせいで、僕には明日が来なかった。
あ、心配はいらない。死んじゃいない。生きてるよ。この通り!
あ!おい!前!電信柱!
あ!!
(ほら、僕の言うことを聞かないから。)
前見ろってー。バカなの?
お、怒るなよ。
危ない!(さえぎる)
うんこ!犬のうんこ!(足もとを指差して)
ほ。良かった。踏まなくて。
いや、そんな、良いよ、大したことじゃないよ。
土下座までしなくていいって。
うんこの隣で土下座するなって。危ないだろ。
な、ほら、立って。
ウンコ踏んだって、電車で周りの乗客からあからさまに避けられるだけだから。それだけだから。
これから君に起こることとは全く関係がないことだからさ。
でも、これで僕の言うことを信じてくれただろ?
話を本題に戻そう。
君は今日、もの凄い、美人で、グラマーな女性に声をかけられる。
どれくらい?どれぐらいって??(胸?)
・・・F?
もんだか? はい、もみました。ちょっとだけ♪
いや、待て待て!!
あのな、交換条件だったんだよ。
そう、交換条件。
そのたったちょっと、ちょっとXXX(もみっ)ってしたら、
とんでもないことになったんだ!
だから行くな!
うそじゃないって。うそじゃないって!
確かめなくっていいって!!
行くなーーーー!
(走り出す)
まてーーー!
無理だ!自分自身に追いつけるはずがない!
お互い同じ速さだから。。。この距離はずっと・・・
!! なぜだ! 離されていく!
速い!!なんなのあの速さ!?
そんなに揉みたいか!!
ダメだ。。。はぁはぁ。
あいつ、めっちゃ速いな。
ヒトって、夢のためには120%の力が出せるんだね。
仕方ない。女に出会う前に防ぐのは、諦めよう。
あいつは偶然の出会いを求めて、ただ闇雲に走ってるだけ。
僕は、現場へ先回りだ。
(そして現場)
待て!
こいつだ。この女だ。この女は信じちゃならん。
ご覧の通りのすごい美女で、グラマーだが、
こいつはイカレた科学者だ。
自分で作ったタイムホールの実験台を探してるんだ!
おい、この詐欺女!!
(バキ!!=自分に殴られる)
お前・・・僕だろ!僕が僕を殴るの?
自分で自分を裏切るの?
え、自分の心に素直に従っただけ?
お前のはただの下心だろ!
(ドカ!=自分に腹を蹴られる)グゥ!
やめろ・・・。耳を貸すな。
その実験のモルモットにされるだけだ。
やめろ!!
もむなーーーー!!!! 揉んじゃダメだ!!!
あぁ、バカ!このどスケベ野郎!
やめろ! タイムホールなんて嘘だ!
いや、それは嘘じゃなかったけど。
だから!とんでもないことになるからやめろ!
やめろーーーーー!!
(自分の腕を掴む)
(その瞬間に、タイムホールが!!)
!あーーーー!
(とめようとして巻き込まれ)
(二人とも飛ばされる)
やぁボク。あ、落ち着いて!慌てるな。
驚くのも無理は無い。
でも、説明しなくてもこの顔を見たら分かるよな?
僕は君だ。君は僕自身だ。
僕の隣にいるのも、僕だ。
(暗転)
やぁボク。あ、落ち着いて!慌てるな。
驚くのも無理は無い。
でも、説明しなくてもこの顔を見たら分かるよな?
僕は君だ。君は僕自身だ。
僕の周りにいるのも、みーんな僕だ。
(おわり)
一人芝居 作:岡野陽平
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『少し未来の自分』
やぁボク。あ、落ち着いて!慌てるな。
驚くのも無理は無い。
でも、説明しなくてもこの顔を見たら分かるよな?
僕は君だ。君は僕自身だ。
僕はね、明日の君なんだ。
いや、僕には明日がなかったのだから、今日の君、なんだろうか。
話が唐突かもしれない。(共に歩き出す)
でも、未来の自分が過去の自分に会いに行く、
そこには理由は一つしかないと思わないか?
そう、「未来を変えたい」
これから君は信じられない出来事に遭遇する。
いや、とんでもない女に出会う。
そいつのせいで、僕には明日が来なかった。
あ、心配はいらない。死んじゃいない。生きてるよ。この通り!
あ!おい!前!電信柱!
あ!!
(ほら、僕の言うことを聞かないから。)
前見ろってー。バカなの?
お、怒るなよ。
危ない!(さえぎる)
うんこ!犬のうんこ!(足もとを指差して)
ほ。良かった。踏まなくて。
いや、そんな、良いよ、大したことじゃないよ。
土下座までしなくていいって。
うんこの隣で土下座するなって。危ないだろ。
な、ほら、立って。
ウンコ踏んだって、電車で周りの乗客からあからさまに避けられるだけだから。それだけだから。
これから君に起こることとは全く関係がないことだからさ。
でも、これで僕の言うことを信じてくれただろ?
話を本題に戻そう。
君は今日、もの凄い、美人で、グラマーな女性に声をかけられる。
どれくらい?どれぐらいって??(胸?)
・・・F?
もんだか? はい、もみました。ちょっとだけ♪
いや、待て待て!!
あのな、交換条件だったんだよ。
そう、交換条件。
そのたったちょっと、ちょっとXXX(もみっ)ってしたら、
とんでもないことになったんだ!
だから行くな!
うそじゃないって。うそじゃないって!
確かめなくっていいって!!
行くなーーーー!
(走り出す)
まてーーー!
無理だ!自分自身に追いつけるはずがない!
お互い同じ速さだから。。。この距離はずっと・・・
!! なぜだ! 離されていく!
速い!!なんなのあの速さ!?
そんなに揉みたいか!!
ダメだ。。。はぁはぁ。
あいつ、めっちゃ速いな。
ヒトって、夢のためには120%の力が出せるんだね。
仕方ない。女に出会う前に防ぐのは、諦めよう。
あいつは偶然の出会いを求めて、ただ闇雲に走ってるだけ。
僕は、現場へ先回りだ。
(そして現場)
待て!
こいつだ。この女だ。この女は信じちゃならん。
ご覧の通りのすごい美女で、グラマーだが、
こいつはイカレた科学者だ。
自分で作ったタイムホールの実験台を探してるんだ!
おい、この詐欺女!!
(バキ!!=自分に殴られる)
お前・・・僕だろ!僕が僕を殴るの?
自分で自分を裏切るの?
え、自分の心に素直に従っただけ?
お前のはただの下心だろ!
(ドカ!=自分に腹を蹴られる)グゥ!
やめろ・・・。耳を貸すな。
その実験のモルモットにされるだけだ。
やめろ!!
もむなーーーー!!!! 揉んじゃダメだ!!!
あぁ、バカ!このどスケベ野郎!
やめろ! タイムホールなんて嘘だ!
いや、それは嘘じゃなかったけど。
だから!とんでもないことになるからやめろ!
やめろーーーーー!!
(自分の腕を掴む)
(その瞬間に、タイムホールが!!)
!あーーーー!
(とめようとして巻き込まれ)
(二人とも飛ばされる)
やぁボク。あ、落ち着いて!慌てるな。
驚くのも無理は無い。
でも、説明しなくてもこの顔を見たら分かるよな?
僕は君だ。君は僕自身だ。
僕の隣にいるのも、僕だ。
(暗転)
やぁボク。あ、落ち着いて!慌てるな。
驚くのも無理は無い。
でも、説明しなくてもこの顔を見たら分かるよな?
僕は君だ。君は僕自身だ。
僕の周りにいるのも、みーんな僕だ。
(おわり)
『こちら山猫探偵事務所です!』 [読み物・作品]
2014年 納涼演劇祭のために書き下ろした作品。
作:岡野陽平
出演《古さん》のアレンジも加わっています★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『こちら山猫探偵事務所です!』
◆誰かを尾行している。時々カメラ、メモ
(舞台上手奥から登揚し、舞台を広く、上手から下手へ移動等)
◆相手が振り向いた!? すかさず誤魔化す。
(建物の影に隠れる。様子を確かめ、尾行再開)
◆又、相手が振り向いた!?
(慌てて手に持ったメモをスマホにして誤魔化す。)
◆そこへ誰かに声を掛けられ
「えっ!何?おばあちゃん、どこ行きたいの?あぁ、コンビニ!?」
「それは、あっち、あっち、ずーっとあっち。わかんなくなったら交番あるからお巡りさんに聞いて」
「はい、おばあちゃん気を付けてね」
◆おばあちゃんを心配そうに見送って、尾行中だった事を思い出し、慌てて周囲を確認。
「あっ!!」
◆周囲をキョロキョロ見回す。前に進んでみる。いない!?あっちか!?
◆尾行相手を探しに下手へはけるが見失ってとぼとぼと戻って来てあーあ、見失っちゃった。尾行失敗!!
「今日はもうダメだ。事務所戻ろう」
◆場転
「ただいま! 調査から戻ってきました。って誰もいないけどね~」
◆下手のホワイトボードの予定表を消し、
「現在抱えている案件は、いち!浮気調査!に!なし!
次の案件はない」
◆コップを手に持って椅子に座る
「さあて、依頼の電話を待つことにしよう。全身全霊を注ぎ込で」
「はぁぁぁっー!」電話に向かって念を送る。
◆そこで 電話が鳴る。
お茶を飲んで咳払いをしてから出る。
「はい、山猫探偵事務所。秘書の古谷でございます。
新規のご相談ですね。どういった?
はい、身辺調査ですね。
では、詳しいお話は先生と…なんですが、先生は今、別の調査に出ておりまして。
何せお忙しい方ですので申し訳ありません。
戻り次第、ご連絡致しますのでお名前と連絡先をお聞かせ下さい。
はい、はい、復唱致します。
綾小路様、電話は、090-123-4567ですね。失礼致します。」
◆電話を切る
「やったあー!来たよ。来たよ。来ましたよ!乾杯~!」
(「ばんざーい!」)
◆お茶をぐび~!と飲み、ホワイトボードに予定を記入する
「よっしゃー!綾小路って何だかお金持ちって感じがする。とれは、期待出来る!」
◆すぐに電話を掛ける。威厳がある感じで
「さあて、電話、電話っと」
「もしもし、綾小路さん。
私、山猫探偵事務所所長の猫田と申します。
いやー!調査が完了しましてたった今、戻って来たところなんですよー。あなたは運の良い方です。手強い相手でしたが、私に掛かれば、スピード解決。いやいや大したことじゃないんですよ。」
「で、綾小路さんご依頼の件ですが?
はいはい、なるほどお嬢さまの結婚相手の身辺調査ですね。
では、更に詳しいお話は、事務所に来て頂いて。調査内容や費用の事もありますからね。
後、調査対象人物の住所、氏名、年齢、職業、年収、借金の有無とその金額。あと、過去の女性遍歴など・・・。
え、ええ、もちろんそれを調べるのが私の仕事です。
でも、情報は多いに越したことはないので、
既にご存知の事がありましたら余す所なくお教え下さい。
えー、それでは、打合せ今日は如何ですか?3時?
(少し間を置いて)
すみません!あいにくその時間は別のアポが入っておりましてー!
何分売れっ子なもんで。4時ではいかがですか?では、4時はいかがですか?
はい、では4時にお待ちしております。」
◆大事そうに電話を切る
「いい歳した娘の結婚相手の調査。はあー、過保護だね~!まあ、こっちも贅沢言ってい
られないか」
◆お茶を飲み、立ち上がって下手のホワイトボードを見る
「現在抱えている案件は2件!」
「はあ、やばいなあ。仕事少なすぎる。
今月の家賃分もまだ稼げてないんだよねー。何とか仕事取らなくちゃ。
それには、スキルアップ。トレーニシグしよう」
◆一人で尾行の練習を始める
次々と見つかった場合のカムフラージュを試みる
「松の木!電信柱!犬!猫!ニワトリ!」
「よし!完壁!!」
◆道具を出してダウジングを始める
「埋蔵金、埋蔵金、あっ!」「1円玉めっけ!」
◆満足して次へ虫眼鏡を出す
「髪の毛一本も見逃さない!」「_ほこり溜まってるなぁ」
◆カメラで隠し撮り変なポーズで
「パシャパシャ」「よ一し!パーフェクト」
◆そこで 電話が鳴る
「おっ、新たな依頼か1?」
◆秘書の声色で
「はい、山猫探偵事務所でございます。あぁ、先ほどの、先生に変わります。」
◆声を替えて
「もしもし、綾小路さん、身辺調査ですよね。えっ、別れた!?さっき!」
「あらー、残念ですね~、いえいえ、お気になさらずに」 残念そうに!
「また、お嬢さんに恋人が出来たらすぐにお電話下さい」
「なんなら良い人紹介するんで。それで、私がその人を調査するんで!
はい。では、失礼致します。」
◆電話を切って
「はあ~、別れるにしてももうちょっと待って欲しいよねえぇ。
せめて一回は調査させてよお~!」
◆また、電話が鳴る
「おっ、今度こそ新たな依頼か!」
「はい、もしもし、山猫探偵事務所、あぁ、浮気調査の!えっ!もういい?いいって?
現場押えた?いつ?えっ、今!!今、修羅場!!」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待って~!それ見なかった事にしてあげて!」
ストップモーション
(おしまい)
作:岡野陽平
出演《古さん》のアレンジも加わっています★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『こちら山猫探偵事務所です!』
◆誰かを尾行している。時々カメラ、メモ
(舞台上手奥から登揚し、舞台を広く、上手から下手へ移動等)
◆相手が振り向いた!? すかさず誤魔化す。
(建物の影に隠れる。様子を確かめ、尾行再開)
◆又、相手が振り向いた!?
(慌てて手に持ったメモをスマホにして誤魔化す。)
◆そこへ誰かに声を掛けられ
「えっ!何?おばあちゃん、どこ行きたいの?あぁ、コンビニ!?」
「それは、あっち、あっち、ずーっとあっち。わかんなくなったら交番あるからお巡りさんに聞いて」
「はい、おばあちゃん気を付けてね」
◆おばあちゃんを心配そうに見送って、尾行中だった事を思い出し、慌てて周囲を確認。
「あっ!!」
◆周囲をキョロキョロ見回す。前に進んでみる。いない!?あっちか!?
◆尾行相手を探しに下手へはけるが見失ってとぼとぼと戻って来てあーあ、見失っちゃった。尾行失敗!!
「今日はもうダメだ。事務所戻ろう」
◆場転
「ただいま! 調査から戻ってきました。って誰もいないけどね~」
◆下手のホワイトボードの予定表を消し、
「現在抱えている案件は、いち!浮気調査!に!なし!
次の案件はない」
◆コップを手に持って椅子に座る
「さあて、依頼の電話を待つことにしよう。全身全霊を注ぎ込で」
「はぁぁぁっー!」電話に向かって念を送る。
◆そこで 電話が鳴る。
お茶を飲んで咳払いをしてから出る。
「はい、山猫探偵事務所。秘書の古谷でございます。
新規のご相談ですね。どういった?
はい、身辺調査ですね。
では、詳しいお話は先生と…なんですが、先生は今、別の調査に出ておりまして。
何せお忙しい方ですので申し訳ありません。
戻り次第、ご連絡致しますのでお名前と連絡先をお聞かせ下さい。
はい、はい、復唱致します。
綾小路様、電話は、090-123-4567ですね。失礼致します。」
◆電話を切る
「やったあー!来たよ。来たよ。来ましたよ!乾杯~!」
(「ばんざーい!」)
◆お茶をぐび~!と飲み、ホワイトボードに予定を記入する
「よっしゃー!綾小路って何だかお金持ちって感じがする。とれは、期待出来る!」
◆すぐに電話を掛ける。威厳がある感じで
「さあて、電話、電話っと」
「もしもし、綾小路さん。
私、山猫探偵事務所所長の猫田と申します。
いやー!調査が完了しましてたった今、戻って来たところなんですよー。あなたは運の良い方です。手強い相手でしたが、私に掛かれば、スピード解決。いやいや大したことじゃないんですよ。」
「で、綾小路さんご依頼の件ですが?
はいはい、なるほどお嬢さまの結婚相手の身辺調査ですね。
では、更に詳しいお話は、事務所に来て頂いて。調査内容や費用の事もありますからね。
後、調査対象人物の住所、氏名、年齢、職業、年収、借金の有無とその金額。あと、過去の女性遍歴など・・・。
え、ええ、もちろんそれを調べるのが私の仕事です。
でも、情報は多いに越したことはないので、
既にご存知の事がありましたら余す所なくお教え下さい。
えー、それでは、打合せ今日は如何ですか?3時?
(少し間を置いて)
すみません!あいにくその時間は別のアポが入っておりましてー!
何分売れっ子なもんで。4時ではいかがですか?では、4時はいかがですか?
はい、では4時にお待ちしております。」
◆大事そうに電話を切る
「いい歳した娘の結婚相手の調査。はあー、過保護だね~!まあ、こっちも贅沢言ってい
られないか」
◆お茶を飲み、立ち上がって下手のホワイトボードを見る
「現在抱えている案件は2件!」
「はあ、やばいなあ。仕事少なすぎる。
今月の家賃分もまだ稼げてないんだよねー。何とか仕事取らなくちゃ。
それには、スキルアップ。トレーニシグしよう」
◆一人で尾行の練習を始める
次々と見つかった場合のカムフラージュを試みる
「松の木!電信柱!犬!猫!ニワトリ!」
「よし!完壁!!」
◆道具を出してダウジングを始める
「埋蔵金、埋蔵金、あっ!」「1円玉めっけ!」
◆満足して次へ虫眼鏡を出す
「髪の毛一本も見逃さない!」「_ほこり溜まってるなぁ」
◆カメラで隠し撮り変なポーズで
「パシャパシャ」「よ一し!パーフェクト」
◆そこで 電話が鳴る
「おっ、新たな依頼か1?」
◆秘書の声色で
「はい、山猫探偵事務所でございます。あぁ、先ほどの、先生に変わります。」
◆声を替えて
「もしもし、綾小路さん、身辺調査ですよね。えっ、別れた!?さっき!」
「あらー、残念ですね~、いえいえ、お気になさらずに」 残念そうに!
「また、お嬢さんに恋人が出来たらすぐにお電話下さい」
「なんなら良い人紹介するんで。それで、私がその人を調査するんで!
はい。では、失礼致します。」
◆電話を切って
「はあ~、別れるにしてももうちょっと待って欲しいよねえぇ。
せめて一回は調査させてよお~!」
◆また、電話が鳴る
「おっ、今度こそ新たな依頼か!」
「はい、もしもし、山猫探偵事務所、あぁ、浮気調査の!えっ!もういい?いいって?
現場押えた?いつ?えっ、今!!今、修羅場!!」
「ちょ、ちょちょちょちょっと待って~!それ見なかった事にしてあげて!」
ストップモーション
(おしまい)
『空き巣道』 [読み物・作品]
2012年の年始ころに書いた作品。
一人芝居用の台本です。
2012年 初頭(?) 作:岡野陽平
※2014年の上演では《ホリベエ》が
「なんでだよぉ」と独特の方言と口調を加え、
オリジナルの「石川タダミチ(42歳)」が生まれました。
「いやいや、あのよぉ、お巡りさんよぉ、この際ぶっちゃけて言うけどよぉ」
★印=《ホリベエ》追加のネタです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『空き巣道』(あきすどう)
★石川タダミチ。
俺の祖先はよぉ、かの有名な石川ごえ・・・あ、聞いてない。
★42。厄年・・・(あ、余計!)
いやいや、あのさ、おまわりさん、
この際ぶっちゃけて言うけどさ、
俺も、空き巣なんて仕事を何十年もしてるワケだけどさ、
いや、ちょっとぶっちゃけすぎだけどさ、
でもよ、
その空き巣歴うん十年の俺でさえもこんなこと初めてだよ。
部屋に入ったら、もう、とっ散らかってて、荒らし放題。
すぐに「被った」ってのは分かったよ。
だから、同業者とだよ。空き巣の先客がいたんだよ。
同じ日に同じ家にさ。
いや、被るのは初めてじゃないんだよ。何度かあったよ、空き巣歴うん十年のうちにさ。
入ってみると「こりゃーどうも誰かが仕事した後だな」って。
でも今回は、もうヒデー散らかってた。
ぐっちゃぐっちゃ。足の踏み場もないくらいに。
「入った家のタンスだーなんだひっくり返して、散らかして物を盗っていく」
そんな仕事する空き巣野郎は、おれは大っ嫌いだね!な!
そんなのは俺の空き巣道に反するね。
空き巣道だよ。
要するにパリスィー(ポリシー)だよ。
★え、長所とってるからちゃんと発音してくれって?
『ポァリスィー』? え、違う?
・・・。あ、もういい?
盗むならこっそり。空き巣に入ったのも気づかれないくらいさりげなくやるのよ。
何事にも『道』はあるものだよ?
俺は別に贅沢したくてこんな仕事してるんじゃないんだよ。
汗水たらして真面目に働いてらっしゃる人たちから、根こそぎ奪うようなマネは嫌いだね。
その家の奥さんが「だんなのお小遣い減らせばいいか」くらいで埋め合わせれる金額で。
まぁ確かに、数こなさなきゃならないけどね。
それが、部屋中ひっくり返して散らかして、余計な迷惑かけるようなヤツはダメだ。
ホント気にいらねぇ。同業者として恥ずかしい。
でも俺は、その荒らされた部屋に、出くわしちまったもんだから仕方がない。
黙って見過ごせないと思ったね。
で、オレは始めたわけよ。掃除を。
一大、大掃除よ。
もう、とりあえずもうちょっとマシな状態にしようと、まずは床から。
服があっちこっちに広がってるから、ガサーっと拾い集めて、一個一個アイロンかけて畳んでタンスにしまって、あんまり汚れてるのは洗濯籠の中に放り込んで。
床に落ちてるカップ麺とか食料は袋に詰めて棚に載せて。マンガや雑誌は積み上げたり本棚にしまったり。
読んでないよ、確かに漫画や雑誌を片付けてると、あれこれ読みたくなっちゃうもんだけどさ、読んでたら掃除終わらないじゃない。
で、ざっとだけど綺麗になったし、こんなもんでいいかなって思ったんだけど、
目に付いちまったんだ。
汚れた服で洗濯籠が一杯になってるのが。さっき俺が片付けて放り込んだヤツなんだけどさ。
それ見て、「こりゃもうどうしようもない」と思ったね。
で、回したわけよ。洗濯機を。
床も箒や掃除機で綺麗にしたよ。ゴミや埃が結構あってね。
まぁ、家中を掃いて、掃除機かけて、ずいぶん綺麗になった。
で、一通り綺麗になったし、こんなもんでいいかなって思ったんだけど、
目に付いちまったんだ。
床についた汚れがひどいんだよ。
どうも空き巣野郎はさ、土足で上がってやがったんだろうな、
人様の家に土足で上がりこむなんて、とんでもないヤツだ!
でも、オレはピンと来たね。犯人は外国人だ。
そこで、俺は汚れた床を見ながら、
「同じ日本人が困ってたら助けてやらなきゃ」って思ったね。
だから、俺はやったよ、雑巾で水拭き。
ゴシゴシゴシと。
で、家中の床が綺麗になったし、ちょっと休憩に水を一杯といただこうと、
台所に行ったんだ。
そしたら、目に付いちまったんだよ。
食べた後の食器がそのまま残ってるのが。
スパゲティーだった。そこで俺は思ったよ。もしかして、犯人はイタリア人?
いや、まさか空き巣野郎が、お腹が空いたからって、ちゃちゃっと料理してサッと食ってから出てったなんて、
悠長なヤツじゃないと思うんだけどさ、
でも、もし万が一、そうだったら?
って、思ったらもうほっとけなくてさ。
で、始めたわけよ。洗い物を。
食器洗うだけのつもりが、蛇口周りやシンクの汚れが気になっちゃって、
小道具の針金やブラシなんか使って綺麗に磨いてさ。
★これが良く落ちるんだよ〜♪
へへ、そうまぁ使い方間違ってるけど。
で、一通り綺麗になったし、もういいだろうと、もう十分掃除しただろうと。
で、終わりにしようかなと思ったところで、洗濯機のアラームが鳴って「洗い終わりました」と。
そりゃーもう、ほっといたら大変だよ。
洗って干さずに置いといた洗濯物って、なんか独特の臭いがするじゃない。
だから、要は臭いんだよ。
洗濯機まわしたの俺だし。責任あるわけだよ。
だから干したよ、洗濯物を。
全部、皺にならないように伸ばして。叩いて。
で、全部干して、よしよし、ふ~、だいぶ疲れた。と、ちょっとトイレに行ったんだ。
そしたら、目に付いちまったんだよ。
空き巣野郎がトイレを流し忘れてるのが!
で、汚いんだよ。あちこち飛び散った後があるし。もう最悪。
あー、まぁ、ばばっちい話はやめとこか。
でも俺は思ったよ。水洗トイレを使い慣れてないなんて、もしかして犯人はインド人?
まぁとにかく始めたわけよ、トイレ掃除を。
あとはもういろいろ。今考えてみたら家中の掃除してるね。
机の上、棚の上、玄関まわり。窓も拭いて、サッシに入り込んだゴミも取って。風呂を磨いて、洗面所も磨いて。
よし、これでもう空き巣野郎が入った痕跡は完璧に残ってないぞ、っとなって
最後に、一杯になったゴミの袋を、外のゴミ捨て場にボンボンっと捨てて、
さぁ、ようやくここから、俺の仕事に取り掛かろう。とね。だから、本業のね。えへへ。
★(聞いてるお巡りさんに) 分かってるくせによぉ〜
ところが、このゴミ出しに行ったのがいけなかった。
その地区のゴミの日でもないのにパンパンに詰まったゴミの袋を二つ抱えた男。
怪しい。っていうか、迷惑。
昼間にゴミを出すのも迷惑だしよ。
これが、運悪く非番のおまわりさんの目に付いて、あれよあれよで、御用となりました。
で、現在にいたると。
そこら辺はあなたのご存知のとおりですよ、おまわりさん。
非番の日に急な仕事入れちゃって悪いね。
なぁ、おまわりさん、頼みがあるんだけどさ。
取り調べなら後でたっぷり受けるし、留置所に一晩入れられたっていい。
でも今、今からさ、
洗濯物、取り込ましてくんない? な、後生だからさ。お願い!
アイロンかけさせてとか言わないからよ。
急な夕立で濡れちゃったりしないように、取り込むだけでいいんだよ。な?
え? うん、確かに分かんねぇ。分かんねぇな。
取り込んでみたら、やっぱりたたみたくなるかもしんねぇ。
たたまずにはおけないかもしれない。うん。それが人情ってもんだ。
確かに分かんねぇけど、ま、そこら辺、臨機応変にどうよ?
え、ダメ?
もう。しゃーない、取り込むだけにしとくわ。たたまない。
え、ダメなの? 何でよ? 雨降ったらどうすんのさ。
じゃぁ、あんた代わりにやってくれない?
俺とあんたの仲だろ。
(そこへ別の警官が入ってきたらしい)
★あ、あんたからも言ってやってよぉ、俺の代わりに洗濯物とりこんできてくれって。
別にあんたが取り込んできてくれてもいいんだけどよぉ。
あ、家主が帰ってきたの?
え、「ゴミ屋敷が片付いた」って、俺に感謝してる・・・?
(おわり)
一人芝居用の台本です。
2012年 初頭(?) 作:岡野陽平
※2014年の上演では《ホリベエ》が
「なんでだよぉ」と独特の方言と口調を加え、
オリジナルの「石川タダミチ(42歳)」が生まれました。
「いやいや、あのよぉ、お巡りさんよぉ、この際ぶっちゃけて言うけどよぉ」
★印=《ホリベエ》追加のネタです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『空き巣道』(あきすどう)
★石川タダミチ。
俺の祖先はよぉ、かの有名な石川ごえ・・・あ、聞いてない。
★42。厄年・・・(あ、余計!)
いやいや、あのさ、おまわりさん、
この際ぶっちゃけて言うけどさ、
俺も、空き巣なんて仕事を何十年もしてるワケだけどさ、
いや、ちょっとぶっちゃけすぎだけどさ、
でもよ、
その空き巣歴うん十年の俺でさえもこんなこと初めてだよ。
部屋に入ったら、もう、とっ散らかってて、荒らし放題。
すぐに「被った」ってのは分かったよ。
だから、同業者とだよ。空き巣の先客がいたんだよ。
同じ日に同じ家にさ。
いや、被るのは初めてじゃないんだよ。何度かあったよ、空き巣歴うん十年のうちにさ。
入ってみると「こりゃーどうも誰かが仕事した後だな」って。
でも今回は、もうヒデー散らかってた。
ぐっちゃぐっちゃ。足の踏み場もないくらいに。
「入った家のタンスだーなんだひっくり返して、散らかして物を盗っていく」
そんな仕事する空き巣野郎は、おれは大っ嫌いだね!な!
そんなのは俺の空き巣道に反するね。
空き巣道だよ。
要するにパリスィー(ポリシー)だよ。
★え、長所とってるからちゃんと発音してくれって?
『ポァリスィー』? え、違う?
・・・。あ、もういい?
盗むならこっそり。空き巣に入ったのも気づかれないくらいさりげなくやるのよ。
何事にも『道』はあるものだよ?
俺は別に贅沢したくてこんな仕事してるんじゃないんだよ。
汗水たらして真面目に働いてらっしゃる人たちから、根こそぎ奪うようなマネは嫌いだね。
その家の奥さんが「だんなのお小遣い減らせばいいか」くらいで埋め合わせれる金額で。
まぁ確かに、数こなさなきゃならないけどね。
それが、部屋中ひっくり返して散らかして、余計な迷惑かけるようなヤツはダメだ。
ホント気にいらねぇ。同業者として恥ずかしい。
でも俺は、その荒らされた部屋に、出くわしちまったもんだから仕方がない。
黙って見過ごせないと思ったね。
で、オレは始めたわけよ。掃除を。
一大、大掃除よ。
もう、とりあえずもうちょっとマシな状態にしようと、まずは床から。
服があっちこっちに広がってるから、ガサーっと拾い集めて、一個一個アイロンかけて畳んでタンスにしまって、あんまり汚れてるのは洗濯籠の中に放り込んで。
床に落ちてるカップ麺とか食料は袋に詰めて棚に載せて。マンガや雑誌は積み上げたり本棚にしまったり。
読んでないよ、確かに漫画や雑誌を片付けてると、あれこれ読みたくなっちゃうもんだけどさ、読んでたら掃除終わらないじゃない。
で、ざっとだけど綺麗になったし、こんなもんでいいかなって思ったんだけど、
目に付いちまったんだ。
汚れた服で洗濯籠が一杯になってるのが。さっき俺が片付けて放り込んだヤツなんだけどさ。
それ見て、「こりゃもうどうしようもない」と思ったね。
で、回したわけよ。洗濯機を。
床も箒や掃除機で綺麗にしたよ。ゴミや埃が結構あってね。
まぁ、家中を掃いて、掃除機かけて、ずいぶん綺麗になった。
で、一通り綺麗になったし、こんなもんでいいかなって思ったんだけど、
目に付いちまったんだ。
床についた汚れがひどいんだよ。
どうも空き巣野郎はさ、土足で上がってやがったんだろうな、
人様の家に土足で上がりこむなんて、とんでもないヤツだ!
でも、オレはピンと来たね。犯人は外国人だ。
そこで、俺は汚れた床を見ながら、
「同じ日本人が困ってたら助けてやらなきゃ」って思ったね。
だから、俺はやったよ、雑巾で水拭き。
ゴシゴシゴシと。
で、家中の床が綺麗になったし、ちょっと休憩に水を一杯といただこうと、
台所に行ったんだ。
そしたら、目に付いちまったんだよ。
食べた後の食器がそのまま残ってるのが。
スパゲティーだった。そこで俺は思ったよ。もしかして、犯人はイタリア人?
いや、まさか空き巣野郎が、お腹が空いたからって、ちゃちゃっと料理してサッと食ってから出てったなんて、
悠長なヤツじゃないと思うんだけどさ、
でも、もし万が一、そうだったら?
って、思ったらもうほっとけなくてさ。
で、始めたわけよ。洗い物を。
食器洗うだけのつもりが、蛇口周りやシンクの汚れが気になっちゃって、
小道具の針金やブラシなんか使って綺麗に磨いてさ。
★これが良く落ちるんだよ〜♪
へへ、そうまぁ使い方間違ってるけど。
で、一通り綺麗になったし、もういいだろうと、もう十分掃除しただろうと。
で、終わりにしようかなと思ったところで、洗濯機のアラームが鳴って「洗い終わりました」と。
そりゃーもう、ほっといたら大変だよ。
洗って干さずに置いといた洗濯物って、なんか独特の臭いがするじゃない。
だから、要は臭いんだよ。
洗濯機まわしたの俺だし。責任あるわけだよ。
だから干したよ、洗濯物を。
全部、皺にならないように伸ばして。叩いて。
で、全部干して、よしよし、ふ~、だいぶ疲れた。と、ちょっとトイレに行ったんだ。
そしたら、目に付いちまったんだよ。
空き巣野郎がトイレを流し忘れてるのが!
で、汚いんだよ。あちこち飛び散った後があるし。もう最悪。
あー、まぁ、ばばっちい話はやめとこか。
でも俺は思ったよ。水洗トイレを使い慣れてないなんて、もしかして犯人はインド人?
まぁとにかく始めたわけよ、トイレ掃除を。
あとはもういろいろ。今考えてみたら家中の掃除してるね。
机の上、棚の上、玄関まわり。窓も拭いて、サッシに入り込んだゴミも取って。風呂を磨いて、洗面所も磨いて。
よし、これでもう空き巣野郎が入った痕跡は完璧に残ってないぞ、っとなって
最後に、一杯になったゴミの袋を、外のゴミ捨て場にボンボンっと捨てて、
さぁ、ようやくここから、俺の仕事に取り掛かろう。とね。だから、本業のね。えへへ。
★(聞いてるお巡りさんに) 分かってるくせによぉ〜
ところが、このゴミ出しに行ったのがいけなかった。
その地区のゴミの日でもないのにパンパンに詰まったゴミの袋を二つ抱えた男。
怪しい。っていうか、迷惑。
昼間にゴミを出すのも迷惑だしよ。
これが、運悪く非番のおまわりさんの目に付いて、あれよあれよで、御用となりました。
で、現在にいたると。
そこら辺はあなたのご存知のとおりですよ、おまわりさん。
非番の日に急な仕事入れちゃって悪いね。
なぁ、おまわりさん、頼みがあるんだけどさ。
取り調べなら後でたっぷり受けるし、留置所に一晩入れられたっていい。
でも今、今からさ、
洗濯物、取り込ましてくんない? な、後生だからさ。お願い!
アイロンかけさせてとか言わないからよ。
急な夕立で濡れちゃったりしないように、取り込むだけでいいんだよ。な?
え? うん、確かに分かんねぇ。分かんねぇな。
取り込んでみたら、やっぱりたたみたくなるかもしんねぇ。
たたまずにはおけないかもしれない。うん。それが人情ってもんだ。
確かに分かんねぇけど、ま、そこら辺、臨機応変にどうよ?
え、ダメ?
もう。しゃーない、取り込むだけにしとくわ。たたまない。
え、ダメなの? 何でよ? 雨降ったらどうすんのさ。
じゃぁ、あんた代わりにやってくれない?
俺とあんたの仲だろ。
(そこへ別の警官が入ってきたらしい)
★あ、あんたからも言ってやってよぉ、俺の代わりに洗濯物とりこんできてくれって。
別にあんたが取り込んできてくれてもいいんだけどよぉ。
あ、家主が帰ってきたの?
え、「ゴミ屋敷が片付いた」って、俺に感謝してる・・・?
(おわり)
よんすて納涼演劇祭2014! [all past memories]
8月20日(水) 公演当日
18:30の開場とともにドッと人が流れ込んできて驚きましたΣ(°д°)
平日の早めの時間なので、少ないだろうと思っていたのですが、
本当に「あっ」という間に満席になり、席を追加し、
立ち見も少し出てしまったようで、スミマセンでした〜。
これが“無料”の力!!Σヽ(°д°)ノ
あまりに予想外の“大入り”に
役者陣は縮み上がっておりましたが(笑)
お客さんの声援(?)もあって、
役者達も調子に乗って(?)いつも以上の力を発揮し、
演・観ともに楽しい時間が過ごせました。
とても多くの笑いと拍手をいただき、本当にありがとうございました。
『よんすて納涼演劇祭』
こんな形で、また来年も出来たらいいなと思います。
出演希望もお待ちしておりますヽ(´▽`)ノ
18:30の開場とともにドッと人が流れ込んできて驚きましたΣ(°д°)
平日の早めの時間なので、少ないだろうと思っていたのですが、
本当に「あっ」という間に満席になり、席を追加し、
立ち見も少し出てしまったようで、スミマセンでした〜。
これが“無料”の力!!Σヽ(°д°)ノ
あまりに予想外の“大入り”に
役者陣は縮み上がっておりましたが(笑)
お客さんの声援(?)もあって、
役者達も調子に乗って(?)いつも以上の力を発揮し、
演・観ともに楽しい時間が過ごせました。
とても多くの笑いと拍手をいただき、本当にありがとうございました。
『よんすて納涼演劇祭』
こんな形で、また来年も出来たらいいなと思います。
出演希望もお待ちしておりますヽ(´▽`)ノ
お疲れさまでしたぁ! [all past memories]
【1】まっそ 落語『宿屋仇』(やどやがたき)
宿場で、寝たい侍と、どんちゃん騒ぎの3人組と、宿のもん“伊八”。
登場人物が多く、場面(部屋)もコロコロと変わる、忙しい作品ですね。
落語で大事な最初の語り〔まくら〕を色々と苦心していたようですw
しかし、お客さんに質問したり、上手にやっておりました!
→ 台本リンク
【2】つるにゃん&ちゃんこ 『心もヨシ子なら』
《オカピー》が[あて書き]した原案を2人が書き直し、
でもやっぱりテコ入れがググーッと入って
一気にダークホースに躍り出た作品です d(°д°)
《つるにゃん》は3年ぶり人生2回目、
《ちゃんこ》は演劇学校以外での初舞台、だったんですね。
勢いのあるツッコミや、恐いヨシ子。
良いテンションで走りきってくれました!
→ 台本リンク
【3】オカピー 『少し未来の自分』
その場歩きのマイムや、相手を表現するのに色々と工夫をした作品でした。
かなりエロでバカな“僕”のお話。
美人でグラマーな女科学者が、あなたにも見えましたか?(´▽`)
そして「Fの無限ループ」が・・・
→ 台本リンク
【4】えりちょん 朗読
前日に急な連絡がありまして、残念ながら出席できなくなってしまい…。
本人もがっかり。 またいつか、機会がありますように。
【5】古さん 『こちら山猫探偵事務所です!』
ちょっと可笑しな探偵さんの話。
公演が決まってから《古さん》用に書き下ろしました〜。
オチにどどどーっと勢いのある作品です。次々と依頼があぁぁ!
《古さん》は実は初一人芝居。いかがだったでしょうか?(´▽`)
《関さん》の仕込みで電話は電話機から生音(なまおと)でお届けしました!
→ 台本リンク
【6】ホリベエ 『空き巣道』(あきすどう)
お巡りさんに語る。空き巣に入ったら、“先客”にヒドく荒らされた部屋で。
仕方なく始めた「掃除」が…。
苦手なコメディ、のはずが、終ってみればこれは代表作になるのでは!?
方言や口調は《ホリベエ》の工夫で、
初お披露目のときはガクブルでしたよ(´w`)
もう《ホリベエ》が空き巣にしか見えない・・・「なんでだよぉー」
→ 台本リンク
【司会】やな&おはま
《やな》の頑張りに拍手です!ヽ(´▽`)ノ
急な無茶振りで踊らされたりしてましたがw
当日に急遽お願いされた《おはま》も、素晴らしい“添え物”っぷりで!
2人のおかげでお祭りらしい空気が生まれ、
役者も観客も緊張がほぐされました!
【STAFF】
《ケンカク》は初の舞台監督、《やす吉》も初の音響担当でしたが
2人とも緊張しながらもきっちりと仕事をこなしてくれました。
2人の指導&照明を担当した《関さん》もお疲れさまでした。
スケジュール通りに進行でき、大きなミスや問題もなく、
この3人、良いコンビネーション(トリオネーション?)でしたね!
次は出演も期待♪(´w`)
《みぞっち》《久保ティーチャー》《ヤリヤリ》《みー君》《サチスケ》
他にも、仕込みやバラシに予期せず多数の援軍が!!
もの凄く助かりましたよ!本当にありがとうでした!ヽ(´▽`)ノ
【観客】
舞台は役者とスタッフだけで作るモノではありません。
お客さんの笑いと拍手があって、ますます舞台は輝きます。
皆さんのおかげで本当に素敵な公演になりました!
劇場へ足を運んで下さった皆さん、ありがとうございました!!
またお会いしましょう! 次回もお楽しみに! ヽ(´▽`)ノ
宿場で、寝たい侍と、どんちゃん騒ぎの3人組と、宿のもん“伊八”。
登場人物が多く、場面(部屋)もコロコロと変わる、忙しい作品ですね。
落語で大事な最初の語り〔まくら〕を色々と苦心していたようですw
しかし、お客さんに質問したり、上手にやっておりました!
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【2】つるにゃん&ちゃんこ 『心もヨシ子なら』
《オカピー》が[あて書き]した原案を2人が書き直し、
でもやっぱりテコ入れがググーッと入って
一気にダークホースに躍り出た作品です d(°д°)
《つるにゃん》は3年ぶり人生2回目、
《ちゃんこ》は演劇学校以外での初舞台、だったんですね。
勢いのあるツッコミや、恐いヨシ子。
良いテンションで走りきってくれました!
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【3】オカピー 『少し未来の自分』
その場歩きのマイムや、相手を表現するのに色々と工夫をした作品でした。
かなりエロでバカな“僕”のお話。
美人でグラマーな女科学者が、あなたにも見えましたか?(´▽`)
そして「Fの無限ループ」が・・・
→ 台本リンク
【4】えりちょん 朗読
前日に急な連絡がありまして、残念ながら出席できなくなってしまい…。
本人もがっかり。 またいつか、機会がありますように。
【5】古さん 『こちら山猫探偵事務所です!』
ちょっと可笑しな探偵さんの話。
公演が決まってから《古さん》用に書き下ろしました〜。
オチにどどどーっと勢いのある作品です。次々と依頼があぁぁ!
《古さん》は実は初一人芝居。いかがだったでしょうか?(´▽`)
《関さん》の仕込みで電話は電話機から生音(なまおと)でお届けしました!
→ 台本リンク
【6】ホリベエ 『空き巣道』(あきすどう)
お巡りさんに語る。空き巣に入ったら、“先客”にヒドく荒らされた部屋で。
仕方なく始めた「掃除」が…。
苦手なコメディ、のはずが、終ってみればこれは代表作になるのでは!?
方言や口調は《ホリベエ》の工夫で、
初お披露目のときはガクブルでしたよ(´w`)
もう《ホリベエ》が空き巣にしか見えない・・・「なんでだよぉー」
→ 台本リンク
【司会】やな&おはま
《やな》の頑張りに拍手です!ヽ(´▽`)ノ
急な無茶振りで踊らされたりしてましたがw
当日に急遽お願いされた《おはま》も、素晴らしい“添え物”っぷりで!
2人のおかげでお祭りらしい空気が生まれ、
役者も観客も緊張がほぐされました!
【STAFF】
《ケンカク》は初の舞台監督、《やす吉》も初の音響担当でしたが
2人とも緊張しながらもきっちりと仕事をこなしてくれました。
2人の指導&照明を担当した《関さん》もお疲れさまでした。
スケジュール通りに進行でき、大きなミスや問題もなく、
この3人、良いコンビネーション(トリオネーション?)でしたね!
次は出演も期待♪(´w`)
《みぞっち》《久保ティーチャー》《ヤリヤリ》《みー君》《サチスケ》
他にも、仕込みやバラシに予期せず多数の援軍が!!
もの凄く助かりましたよ!本当にありがとうでした!ヽ(´▽`)ノ
【観客】
舞台は役者とスタッフだけで作るモノではありません。
お客さんの笑いと拍手があって、ますます舞台は輝きます。
皆さんのおかげで本当に素敵な公演になりました!
劇場へ足を運んで下さった皆さん、ありがとうございました!!
またお会いしましょう! 次回もお楽しみに! ヽ(´▽`)ノ