『半歩譲ってみてごらん♪』 [読み物・作品]

■映像表現として(シナリオ)
■200文字x3枚
■「別れのセリフ」というテーマで。
■場所は喫茶店のみetc、他にも色々と条件あり。

タイトルは「メダカの学校」のリズム
で歌って欲しいです♪
    2012.05.19 作: 岡野陽平
~~~~~~~~~
b0103470_23242831.jpg

『半歩譲ってみてごらん♪』

人物
 国見雄吾(24) プロサッカー選手
 藤枝玲奈(22) その恋人

◯喫茶店
  国見雄吾(24)と藤枝玲奈(22)が座るテーブルの上にスポーツ新聞がある。
  一面はサッカー選手・雄吾の雄叫びと「国見マンU移籍!」の文字。
  玲奈は少し寂しさを交えつつ、
玲奈「すごいね雄吾!おめでとう!・・・でも、イギリスでしょ?遠くなっちゃうね」
雄吾「夢は追い続ければ必ず実現するんだ!そして、玲奈も一緒に行こう。つまり、オレと結婚して欲しい!」
玲奈「え!?本当!?・・・嬉しい。私、もう離れ離れになっちゃうのかと」
雄吾「そんなはずないだろ。オレの次の夢は玲奈と幸せな家庭を作ること。そして、子供11人でサッカーチームを作ること!」
玲奈「あはは、11人!?・・・冗談だよね?」
雄吾「本気さ! え?無理なの?」
玲奈「無理!無理に決まってるでしょ!」
雄吾「え。じゃぁ別れよう」
玲奈「何で!? 何でそうなるのよ!」
雄吾「夢は追い続ければ必ず実現するんだ!」
玲奈「アホか!! ねぇ、考え直してよ!!」
雄吾「分かったよ。じゃぁ半歩譲って6、いや5人、産んでくれよ。後の6人は他の娘に頼むから」
玲奈「・・・父親は?」
雄吾「オレだけど?」
  玲奈がコップを掴み、雄吾の顔に水をかける。
  玲奈は怒って出ていく。雄吾は一人ポツリ。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『空港はいつもドラマ』 [読み物・作品]

■映像表現として(シナリオ)
■200文字x7枚
■テーマ「再会」
という課題で。

ちょっとした短編として。
タイトルにひねりがない...
     2012.06.14 作:岡野陽平

26066328.jpg
『空港はいつもドラマ』

人物
 長沼健一(39) 母と二人暮らしの男性。
 長沼治子(64) その母。
 佐伯正敏(54) 国際空港の職員。


◯空港内の一室。
  静かで簡素な応接室。
  佐伯正敏(54)は窓際に立ち、長沼健一(39)はソファに。
  窓の外に、旅客機が一機着陸する。
  佐伯がにこやかにふり返って、
佐伯「無事着いたようですよ」
長沼「そうですか」
佐伯「入国手続き等して、もうすぐお会いできますので」
長沼「はい」
  佐伯もソファに座る。長沼の向かい。
佐伯「それでは、確認の続きですが。えー、長沼健一さん、あなたですが、は、先月6月14日に長沼治子さん、あなたのお母さんですね、を連れて、メキシコに、旅行に、行ったわけですねぇ」
  長沼は無反応。佐伯は続けて、
佐伯「メキシコシティに着いたあなたはお母さんを、空港から遠ーい、小さな田舎町に連れていって、で、えー、お母さんをそこに置いたまま、あなた一人帰ってきた、と」
長沼「そうです」
佐伯「で、その置き去りにされちゃったお母さんの方ですけど…。
お金もなし、パスポートもなし、言葉も全く通じない。なんせスペイン語ですから。現地の警察や日本人旅行者を頼って、どうにかこうにか日本大使館に保護されるまでに3週間かかったようです。
で、今日ようやく帰国できた、と」
長沼「うちの母がご迷惑をおかけします」
佐伯「あはは! お母さんがね!」
  長沼も苦笑とも取れる愛想笑いをする。
佐伯「私達も別に警察じゃないですし、親子の問題ですからね。深くは聞きませんけど…なんで、こんなことしたんですか?」
長沼「なんていうか、私、ずっと、『母をたずねて三千里』に憧れてまして…」
佐伯「それ逆ですよね。今回さまよったのは『母』の方なんですけど」
  沈黙。長沼がこめかみを軽く掻いて、
長沼「えーと、そうですね、あの、姥捨て山ってあるじゃないですか? それでね…」
佐伯「あ、もう分かったので続きはいいです」
長沼「分かっちゃいましたか?」
佐伯「だって、そういうことでしょ?」
長沼「…はい」
佐伯「姥捨て山ってのは、メキシコにも失礼なんじゃない?
…。で、それは本当ですか?」
長沼「嘘です」
佐伯「嘘はつかないで下さいね」
長沼「努力します」
佐伯「ぜひ!」
長沼「いや、なんていうか、千尋の谷に我が子を突き落とすライオンのように…」
佐伯「それも逆ですよね? 親子」
長沼「…はい」
佐伯「まぁ、確かにお母さん、随分たくましくなられたようですよ」
  入口に長沼治子(64)が現れる。ブーツ、ハット、日焼け等、すっかりメキシコ人。
  二人が驚きと笑顔で治子を迎える。
長沼「母さん!」
  治子はつかつかっと長沼に歩み寄り、
治子「健一!」
  治子が長沼の顔面にグーでパンチ!
  ぶっ倒れる長沼。驚く佐伯に治子が、
治子「あぁ、どうもすいません。この度はうちのバカ息子がとんだご迷惑を」
佐伯「お母さん、随分たくましくなられたようで!」



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『最強のタコ焼き』 [読み物・作品]

■映像表現として(シナリオ)
■200文字x8枚
■テーマ「別れ」
という課題で。

まぁ、勢いで読んでください。
下書きで課題の8枚を大きくオーバーしていたのですが、
その下書きのまま載せてます。(課題用はちゃんと短縮)
     2012.06.15 作:岡野陽平

201206takoyaki.jpg
『最強のタコ焼き』

人物
 高橋鉄也(26) タコ焼き屋の店長。
 畑山広継(27) タコ焼き屋。店員。
 小林和之(23) タコ焼き屋。店員。
 母親(32)
 少年(6)
 少女(4)
 作業員A


○スーパーの屋外
  入口前のタコ焼きの屋台。高橋、畑山、小林の3人が中にいるが、手は止まって暇そう。人々が前を通り過ぎるだけ。買いそうもない。
小林「暇ですね」
高橋「だね」
小林「なんでですかね」
高橋「なんだろうね」
畑山「・・・」
  小林が客引きの声をかける。
小林「タコ焼きいかがですかー!」
  人々は反応なく、ただ行きかうだけ。
小林「暇ですね」
高橋「だね」
小林「なんでですかね」
高橋「なんだろうね」
  沈黙の3人。畑山がおもむろに、
畑山「・・・それはね」
  他2人は予期してなくて、物凄く驚く。
高橋、小林「それは!?」
高橋「え、何?お前分かるの?分かってたの?分かってたのにずっと黙ってたの?どういうつもり!?」
畑山「・・・」
小林「ちょ、高橋さん、落ち着いて」
高橋「え、あ、うん」
小林「畑山さん、それで?」
畑山「・・・」
  畑山は無言で爪楊枝にサクッとタコ焼きを刺し、ささっと2人の口に放り込む。自分の口にも一つ。
  3人並んでモグモグ、ごっくん。
高橋「で?」
畑山「どうだ?」
高橋「なにが?」
畑山「うまいか?」
高橋「うま・・・い、って程じゃないけど、結構、まぁそこそこ、なんていうか、何とか?」
小林「ギリギリ?」
畑山「不味いよ」
  言っちゃいますかそれを的な唖然。
高橋「ガ、ガーン!ガガーン! ショック! ショックのあまり癌になるガガーン!・・・ふー、急な衝撃は体に悪いよ」
小林「確かに不味いっすね」
高橋「ガーン!小林よ、お前もか!癌転移!」
畑山「今まで言い出せなかったんだよな?」
小林「はい!」
  涙の2人。抱き合う。
高橋「何の感涙だよ、お前ら」
小林「はい!」
高橋「はい、じゃねぇよ」
  高橋が小林の頭をバシッとはたく。
小林「はい!」
  高橋が小林の頭をグーでポカリ!
小林「いて!」
 
畑山「これ、何とかしないとな」
  畑山が高橋を見る。
高橋「ふん。分かってたさ。分かっていたよ俺だって。何!?分かっていたのに黙っていたの俺?どういうつもり!?」
畑山「自らの過ちを直視したくなかったんだろ」
高橋「!!」
  高橋が小林の頭をグーでポカリ!
小林「いて!何で!?」
  高橋と畑山がにらみ合う。
高橋、畑山「・・・」
畑山「・・・そろそろ本気でやろうぜ、高ちゃんよ」
高橋「・・・」
  目の色が急に変わる高橋。
高橋「うおおーーっし!! やったろうじゃん。マジになってやろうじゃんタコ焼きに。最強に美味いタコ焼き作ってやろうじゃん!」
小林「え!?」
  畑山はニヤリ。
高橋「確かに甘かったよ。大阪なんだから適当でもタコ焼き作りゃ食べるだろ大阪人、売れるだろタコ焼き、って思ってたよ」
小林「適当だったんすか!?」
高橋「そうだよ!」
畑山「・・・」
高橋「でもな、もう違う。今からは違う。やってやる。最強のタコ焼き作ってやる!!」
  畑山も小林も目が輝きだす。
高橋「畑ちゃん、何が要る?」
  畑山が指三本(親指~中指)を立てて、
畑山「3つだ。 タコ、生地、ソース」
高橋「おし!話は早い! 俺はタコ、畑ちゃんは生地、小林はソース。それぞれが最強のもん手に入れてこよう!!3人で最強のもん揃えたら、最強のタコ焼きができる!!」
  畑山は強くうなづく。小林は興奮して、
小林「俺もっすか!?俺も!・・・おーし!!」
高橋「そしたら、いつまでとは言わん。最強だと思うもん手に入れたら連絡してくれ。いいか。最強のもんだぞ!半端は要らん。いいな!」
畑山、小林「おう!」

○小さな漁港
  文字「10年後」
  小船が一艘、港に戻ってくる。
  岸から母親(32)と少年(6)が手を振って、
少年「お父ちゃーん!」
  船の上。漁師姿の高橋が現れる。
少年の声「お父ちゃーん!」
  高橋も岸の親子に笑顔で手を振る。
高橋「おーい!」
  高橋がタコを掴んで高く上げる。

○広大な小麦畑
  小麦の収穫期。トラクターが小麦を刈っている。運転しているのは畑山。
  膝に少女(4)を乗せて笑顔の畑山。トラクターのガタガタ音がのどかに続く。

○大規模なソース工場。
  オートメーションの工程と作業員達。
  小林が見回っている。
  作業員Aが小走りに来て、ソースの小皿を小林に渡す。
作業員A「どうですか?」
  味見した小林は小さくうなずいて、
小林「オケーイ!」
  笑顔の2人。

○3人の顔を並べて (漁港、小麦畑、工場)
高橋の声「あの日から俺達3人が再び集まることはなかった。だが、3人とも、今も求め続けている。今も夢見ている・・・」
3人の声「最強のタコ焼きを!!」


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。