でん、でっけでん。 [all past memories]

11月17日(水)     記=オカノ
ピッコロシアターにて観劇。 『花のもとにて春死なむ』
演出は去年ピッコロ演劇学校で教わったSさん。作は別役実さん。
20101117a.jpg
ブラックユーモア。ナンセンス。不条理。シュールレアリズム。
そういった単語で表現される作品の良い例でしょうか。
しかし、よく観る必要があります。
不条理ではなく、
登場人物が一定のルールに従って動いています。
緻密に組まれた【パズル】のような作品でした。

難解なクイズ。しかし、ヒントは多くて。
観ているうちに、その答えが「分かった気がする」「分かりかけた」
段々と見えてくる。それが楽しくて仕方ない。
一回で全ては掴みきれないけど。
押した。引いた。知った。従った。従わせた。染まった。帰った。
社会の裏というか、
社会の持つ、ヒトの持つ、無意識の、暗黙のルールを風刺しています。
しかし、それでいて
「この桜の木は、そういう物語を持っている」で済ませてしまう。

観劇後、予想通りですが
多くの観客は「難しくて分からない」と言っていました。
上演中に寝てるヒトも少なくなく、退席したヒトも・・・。
これは積極的に「理解しよう」と芝居に参加していかないと楽しくない作品です。

最近思うのは、
芝居は「観る側の姿勢・能力も要求する」ということ。
「つまらないな」「下手だな~」と思う芝居・役者を評価をするヒトがいたり、
今回の作品のように、逆もあり。
芝居は【絵画】と同じように『好き嫌い』で決めて良いのですが、
『上手い下手』と『好き嫌い』は分けて論評すべきでしょう。

さて、非常に良質な作品を観て、
「こういう作品もありなんだ!」「こんなレベルの作品を書きたい!」
と思いましたが、しばらくしてから、
「しかし、これは自分の得意な作品ではない」
「自分は自分の得意な、好きな世界を作らなくては」と。
自分の作品。 それは・・・
『パンクロッカー・インタビュー』や『Fight in it!』のような
【コミカルな作品】ではないでしょうか。
1月の公演では、そんな作品を3本。
「がんばろ」って思いました。

 ※『パンク~』ではなく新たに1本、生み出しました。
  『靴下の話』。


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