【ラジオドラマ】 第3弾 [読み物・作品]

『おじいちゃんのゆめ』
原案=ふじもん
作=まっそ
声=おかぴー。まっそ。ちゃんこ。古さん。

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遅くなりましたが、ラジオドラマ第3弾です!
色々な国の音が入っていて、
まさにラジオドラマ向けの作品でしょう★
場所の移動も多いし(笑)

おじいちゃんがメインなのが、
また独特の雰囲気で(´∀`)



以下、台本の文章です。
ラジオドラマを聴いた後に、どうぞ#
~~~~~~~~~~~~~~

『おじいちゃんのゆめ』

(登場人物)
おじいちゃん     
幸介(こーちゃん)
アオネコ(妖精?)
幸介のお母さん


○おじいちゃんの家の前。
杖をついたおじいちゃんと、孫の幸介、そしてお母さんがいる。

お母さん   それじゃあお養父さん、具合が悪くなったときはすぐに連絡してくださいね。
おじいちゃん ああ、ありがとう。
幸介     (元気よく)おじいちゃん、ばいばーい!
おじいちゃん またいつでも遊びにおいで。
幸介     うん! またね~!
おじいちゃん 気をつけて帰るんだよ。
お母さん   (車に乗り込む)ほら、こうちゃん。(おじいちゃんに)また来週、連れて来ますね。
おじいちゃん 楽しみにしているよ。
幸介     ばいばーい!
おじいちゃん (微笑んで)ばいばい。

車が走っていく。ガラガラと引き戸を開け、おじいちゃんは家へ。

○家の中。部屋の隅に、青い猫のぬいぐるみが落ちている。

おじいちゃん おや? 何か青いものが…。(近づいて)ああ、幸介が持っていたぬいぐるみじゃないか。忘れていってしまったんだな。よいしょ…
アオネコ   (驚いて)な、なんにゃ! 誰にゃ!
おじいちゃん おやおや、最近のおもちゃはよくできているねえ。
アオネコ   (ムっとして)おもちゃじゃないにゃ! ボクはアオネコ、立派な妖精にゃ。
おじいちゃん (感心して)ほお、おしゃべりもできるんだねえ。こりゃあ本当によくできている…
アオネコ   だから、おもちゃじゃないって言ってるのにゃ…、(気付いて)はっ、あれ…こーちゃんはどこにゃ!?
おじいちゃん 幸介なら、さっき帰ってしまったよ。
アオネコ   ええっ! しまったにゃ…お昼寝している間に…。
おじいちゃん 届けてあげられたらいいんだけどねえ、ワシはこのとおり足が悪くて…。すまないねえ。また次の日曜日には遊びに来るから、それまでここで待っているといい。
アオネコ   うむむ…仕方がないにゃ。そうさせてもらうにゃ。
おじいちゃん (微笑んで)ああ、ゆっくりしておいで。
アオネコ   ……。
おじいちゃん どうしたんだい?
アオネコ   じいちゃん、「こーちゃんのおじいちゃん」にゃ?
おじいちゃん ああ、そうだよ。
アオネコ   (少し考えてから)よーし。「いっしゅくいっぱんのおんぎ」にゃ。じいちゃんのゆめを、なんでも叶えてあげるにゃ。
おじいちゃん 夢?
アオネコ   お金持ちになりたいとか、世界一周してみたいとか、何でもいいのにゃ。
おじいちゃん そうさなぁ…。世界一周も、楽しそうだのう。
アオネコ   そうかにゃ! 世界一周したいのかにゃ!
おじいちゃん でもねぇ…ワシは目も悪いし、こんな足じゃあねえ…
アオネコ   それなら心配ないにゃ! このポシェットから…(ポシェットをごそごそ)じゃじゃーん!妖精の羽。これを貸してあげるにゃ。これを背中に…(ペタ、とおじいちゃんの背中に貼る)
おじいちゃん ん? おお…浮いとる! 
アオネコ   (胸を張って)エヘン。この魔法のポシェットがあれば何だってできるんだにゃ。
おじいちゃん これはすごいのう。もしかして、本当に妖精さんだったのかい。
アオネコ   だからそう言ってるにゃー!
おじいちゃん (笑って)ごめんよ。(少し残念そうに)だけどね…せっかく連れて行ってもらっても見えないんじゃあ申し訳ないね…。
アオネコ   でもじいちゃん、お耳は元気にゃ。世界には色んな音があるのにゃ、きっと楽しんでもらえると思うにゃ!
おじいちゃん (わらって)そうか、そうだねえ。それじゃあ、お願いしようかな。
アオネコ   まかせるにゃ! 出発進行~!

空を飛んでいく二人。
遠くから音楽が聞こえてくる。

○中国
中国の音楽、人のざわめき。

アオネコ   じいちゃん、聞こえるかにゃ?
おじいちゃん ああ、聞こえているとも。これは…お隣の国、中国かな?
アオネコ   正解にゃ!

○インド。宮廷音楽(?)

アオネコ   へんなカタチの建物がいっぱいなのにゃ。
おじいちゃん おや…美味しそうな匂いもするね。
アオネコ   か、カレー食べたくなってきたのにゃ…

○スコットランド。バグパイプの音色が聞こえる。

おじいちゃん 面白い音だねえ。
アオネコ   バグパイプって言うのにゃ。うわ、スカート穿いたおじさんが一杯いるのにゃ!
おじいちゃん (笑って)それは民族衣装じゃないかな?
アオネコ   なんだか面白い国だにゃ。

○オーストリア。バッハの音楽が聞こえる。

アオネコ   おおっ、なんかすごいのにゃ。
おじいちゃん 演奏会か何かかな?
アオネコ   そうみたいにゃ。

○ブラジル。サンバのリズム、人々の声。

おじいちゃん お祭りかい?
アオネコ   なんだか楽しそうにゃ!
おじいちゃん 本当だねえ。

音楽、遠のいていく。

アオネコ   さて、次はどこがいいかにゃ?
おじいちゃん (少し考えて)富士山に行きたいのう。
アオネコ   富士山? それじゃ日本にもどっちゃうにゃ。
おじいちゃん この羽があれば、どんな山だって登れるだろう?
アオネコ   もちろんにゃ。富士山の上だって飛べちゃうにゃよ。
おじいちゃん (うれしそうに)そりゃあいい。定年したら、ゆっくり登りたいと思っていたんだが…、その前に足を痛めてしまってねえ。せっかく素敵な羽を貸してもらったんだ。一度行ってみたいんだよ。
アオネコ   もちろんいいけど、世界一周、まだ終わってないにゃよ?
おじいちゃん 大丈夫、十分楽しませてもらったよ。そうだ、富士山を見たら、帰ってお茶にしよう。美味しいお菓子もあるからね。
アオネコ   お菓子…! わかったにゃ。

○富士山。ちらほらと登山者の姿が見える。
少し離れた場所から、登山者の声がかすかに聞こえている。

アオネコ   (怖がって)ふ、ふじさんてこんな高かったのかにゃ…こ、怖くなんてないにゃ…
おじいちゃん (微笑んで)おやおや…。(一息ついて)ふう。少しくたびれてしまったよ。座ってもいいかな?
アオネコ   いいにゃ。

少し沈黙。

アオネコ   夕焼け、きれいだにゃ。
おじいちゃん 本当に。綺麗だねえ。
アオネコ   じいちゃん。
おじいちゃん ん?
アオネコ   元気出たかにゃ。
おじいちゃん もちろんだとも。今日は本当に楽しかったよ。ありがとう。
アオネコ   (照れて)そ、そうかにゃ。
おじいちゃん アオネコくん、
アオネコ   (まだ照れたまま)なんにゃ?
おじいちゃん (何か言いかけて)いや…、そろそろ、帰ろうか。
アオネコ   うん、そうだにゃ。(ぼそりと)…お菓子も待ってるしにゃ。
おじいちゃん (愉快そうに)ははは。

○おじいちゃんの家。新聞屋さんがポストに新聞を入れ、バイクが遠ざかっていく。
イスに座っているおじいちゃん。膝には青い猫のぬいぐるみが乗っている。

おじいちゃん (目を覚まして)ん…うーん…。おや、眠ってしまったのか…。

おじいちゃん、ゆったりとイスに背を預けて。

おじいちゃん (嬉しそうに、再び眠りに落ちていく)楽しい旅だったのう…。

イスのきしむ音。おじいちゃんの寝息。


○いつか、どこかの幸介とアオネコ。(ほんの少しだけ、声が響く感じで)

幸介     ゆめ?
アオネコ   そうにゃ。なんだって叶えてあげるにゃ。なんてたって、こーちゃんはボクの友達だからにゃ!
幸介     じゃあ、じゃあねえ! おじいちゃんをげんきにして!
アオネコ   おじいちゃん?
幸介     うん。なんだかね、おじいちゃんいつもよりげんきがないんだ。だから、げんきにしてあげてほしいの。
アオネコ   ふむふむ。「こーちゃんのおじいちゃん」を元気にしてあげたらいいのにゃ?
幸介     うん!
アオネコ   よしっ! 任せるにゃ。なんてたってボクは、幸せの青いネコなんだからにゃ!



おしまい。
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